業種
マネジメントコンサルティング、プロジェクトマネジメント実行支援、マネジメントトレーニング
従業員数
1000名以上
ご支援前の課題
・サービス情報がコーポレートサイト内に点在し、ユーザーに必要な情報が届かない
・Webサイトの運用が属人的でリアルタイムでの情報反映ができない
・スピード感のある施策展開ができていなかった
ご支援後の成果
・迅速にページ更新や施策展開を行える自走型の運用体制を確立
・トレーニングやセミナーの情報更新、資料ダウンロードの導線整備を通じて、リード獲得数が増加
株式会社マネジメントソリューションズ(以下、MSOL)は、企業のさまざまなプロジェクトにおいて、計画立案にとどまらず、「実行フェーズ」までを一貫して支援するプロジェクトマネジメントの専門会社です。最大の特長は、クライアント企業の現場に深く入り込み、PMO(Project Management Office)としてプロジェクトの成功にコミットする“実行支援型”のスタイルにあります。
提供しているサービスは、プロジェクトを進行・推進するPMO人材の提供をはじめ、自社開発のプロジェクト管理ツール「PROEVER(プロエバー)」によるテクノロジー支援、さらに社内外のPMOスキルを体系的に育成するトレーニングサービスまで多岐にわたります。PMO(人)、PROEVER®(ソフトウェア)、Training(トレーニング)の三本柱で、企業のプロジェクトを多角的に支え続ける存在として、多くの企業から厚い信頼を獲得しています。
今回の事例では、サービスサイトのリニューアルプロジェクトをマーケティングの立場から主導された、アカウントマネジメント本部ブランドマーケティング部の成田聡史様と奥村拓様にお話を伺いました。HubSpotを基盤に据え、情報設計から運用体制、マーケティングの仕組みそのものまでを見直したプロジェクトの全貌、今後の展望について、詳しく語っていただきました。
成田氏:MSOL(株式会社マネジメントソリューションズ)は、プロジェクトマネジメントを専門領域とする実行支援型のコンサルティング会社です。主力事業は「PMO(Project Management Office)支援」と呼ばれる分野です。私たちは「プロジェクトマネジメントの実行支援」で、リーディングカンパニーとしての自負を持っております。
単なる計画立案に留まらず、クライアント企業の現場に深く入り込み、プロジェクトが円滑に遂行されるよう現場でのマネジメントを直接担う。これこそが、MSOLの最も大きな強みです。
現代のプロジェクトは、社内外の多様なステークホルダーが関与します。こうした複雑な環境下で、スケジュールやタスクの調整、利害のバランスをとりながらプロジェクトを前に進めていくには、高度な専門知識と実践的な推進力が欠かせません。
MSOLは、そうした課題を抱える企業に代わり、プロジェクトの計画・進捗・リスク・課題といった各種管理業務に加え、関係者との調整やファシリテーションまでを含む「現場での実行支援」を徹底的に提供しています。
奥村氏:プロジェクト実行支援に加えて、自社開発のプロジェクト管理ツール「PROEVER®」や、プロジェクトを推進できる人材を育てるためのトレーニングサービスなども展開しています。つまり、人の支援、ツールの支援、教育の支援という三軸で、プロジェクトの成功を多方面から支えている会社です。
成田氏:もともとは「マーケティング部」として活動していましたが、会社のブランディング強化の方針に伴い、現在は「ブランドマーケティング部」へと名称を変更しました。新たな体制のもと、私たちのミッションは、MSOLという会社のブランド価値を社内外に力強く発信していくことです。
その中で特に重視しているものの1つが、質の高いリード獲得です。単に数を追うのではなく、商談に繋がる、精度の高い見込み顧客との接点をいかに創出するかが私たちの主要なKPIとなっています。
私の担当業務は大きく2つあります。1つはインサイドセールスの企画・実行・運用管理です。部内のインサイドセールスチームには、リード顧客に対して架電業務を行う架電チームがあり、お客様の課題を深くヒアリング、ご支援提案することで商談へつなげる一連のプロセスを企画・実行・運用管理しています。
もう1つは、Webマーケティング担当として、Web広告や外部媒体への広告出稿、ホワイトペーパーの企画・制作やオンラインイベントなどの企画・運営など、Web媒体を通じて新規リード創出する取り組みを推進しています。
奥村氏:私も成田と同じくブランドマーケティング部に所属しており、主にコンテンツ制作まわりを担当しています。ブログの原稿を書いたり、社内の各部署から情報を集めたり、Webサイトの更新作業を行ったりと、どちらかというと運用寄りの業務が中心です。
今回、新しくサービスサイトを立ち上げたことで、私たちマーケティングチームが主体となって情報発信を進められるようになりました。コンテンツを企画して、自分たちの手で公開し、必要に応じて修正や最適化もできるようになったのです。そうした日々の運用を支えるのが、今の私の役割です。
成田氏:当時、私たちのWebサイトは、コーポレートサイトのみで、サービス訴求に特化したページが存在しませんでした。PMO支援やPROEVER®、トレーニングといった各サービスの情報はすべてコーポレートサイト内に点在しており、ユーザーが必要な情報に辿り着くのが非常に困難な構造でした。
情報の一貫性も欠けており、MSOLが現在どのサービスに注力しているのか、どの情報が最新なのかが、外部からは全く伝わらない状態でした。結果として、「この会社は何をしているのか」「自分の課題をどう解決してくれるのか」といった基本的な情報が得にくく、Webサイト全体の訴求力が著しく低いという課題を抱えていました。
(株式会社マネジメントソリューションズ アカウントマネジメント本部 ブランドマーケティング部 成田聡史氏)
奥村氏:さらに深刻だったのが、CMSの使い勝手です。当時は外部の別システムを使っていましたが、管理画面が非常に複雑で、HTMLなどの専門的な知識がないと更新できませんでした。操作ができる社内メンバーが限られていたため、ちょっとした文言の修正ですら外部に依頼しなければならないという、完全に属人的な運用に陥っていました。
また、情報を出したいタイミングは部門によってバラバラです。営業部門は提案資料を出したい、トレーニング部門はセミナー情報を更新したい、ツール部門は機能のアップデートを知らせたい。にもかかわらず、それらを一元管理する仕組みがなかったので、情報は場当たり的に追加されていくばかり。結果として、サイト全体の構成にまとまりがなくなり、どんどん雑多な印象になっていました。
成田氏:マーケティングの観点から致命的だったのが、リード獲得の仕組みが機能していなかったことです。資料請求や問い合わせフォームへの導線は不明瞭で、多くのページに設置されていない状況でした。
せっかく問い合わせをいただいても、個人宛のメールが届くだけで、社内での対応状況を共有する仕組みもありませんでした。そのため、スプレッドシートを用いた手作業のアナログ管理に頼らざるを得ませんでした。
コンテンツの作成から公開までのプロセスにおいても、修正のたびに外部ベンダーへの依頼が必要となり、スピード感に欠ける運用が常態化していました。このような状況では、マーケティングにおけるPDCAサイクルを効果的に回すことは不可能です。私たちブランドマーケティング部門としては、リードを獲得するためには「情報を正確かつタイムリーに届けられる体制」の構築が喫緊の課題だと痛感していました。
成田氏:そのとおりです。私自身、ブランドマーケティング部に着任したのは1年前で、営業部門も新設されたばかりでした。それまでは専任の営業部隊というものが社内に存在しておらず、基本的に既存のお客様との関係性を継続的に深めることで、新たなご支援のご依頼をいただく引き合いが中心でした。
「PMOという仕事の価値を理解していただければ、その良さは自然と伝わる」という前提がありました。そのため、積極的に新規開拓を進めたり、ターゲットを設定してリードを獲得していくという営業的な思考が、組織として根づいているわけではありませんでした。
しかし、事業をさらに成長させていくためには、まずはMSOLの存在やサービスを知っていただき、課題を抱える企業に対してアプローチをしていくことが不可欠です。そのためには、単に情報を羅列するだけではなく、関心を引き、理解を深め 、最終的な行動を促す流れを設計しなければいけません。
サービスの強みを明確に打ち出し、見込み顧客が自然な導線で深掘りできるようなコンテンツ構成とサイト設計が必要でした。そうした顧客との最初の接点としての役割を担うのが、新しいサービスサイトでした。
当時のWeb環境では、その役割を果たすことは困難でした。情報は点在し、更新は滞り、問い合わせ後のフォロー体制も不十分。こうした旧態依然とした仕組みから脱却し、マーケティング活動を戦略的に展開できる環境を整備することが、私たちの最優先課題でした。
成田氏:はい、まさに現場のメンバーが自ら動かせるWebサイトが必要でした。 ちょっとした文言修正やフォーム追加を都度外部に依頼するのではなく、私たちのような非エンジニアのメンバーでも直感的に操作できる環境が不可欠でした。
そこで複数のCMSを比較検討し、最終的にHubSpotを選んだ一番の理由は、コンテンツの追加・編集が圧倒的にしやすい操作性にありました。加えて、マーケティングオートメーションの機能が標準で備わっている点も魅力的でした。
たとえば、資料ダウンロードフォームや問い合わせフォームを自分たちで簡単に設置できるというのは、本当に助かるポイントです。これまでは、フォームを作成するたびに外部ベンダーに依頼したり、得られたデータをスプレッドシートで管理したりと、非常に手間がかかっていました。HubSpotではフォーム作成からリード情報の自動蓄積、ステータス管理までがすべて一元化されており、施策のPDCAサイクルをスピーディーに回せるようになったのは大きな変化です。
奥村氏:私たちは営業側でSalesforceを使っていることもあり、HubSpotとの親和性の高さも選定理由の1つでした。マーケティングで獲得したリードを、営業活動とスムーズに連携させることを見据えたときに、HubSpotは非常に相性が良いと感じました。
また、クラウド型のCMSであるという点も重要でした。WordPressや以前使っていたCMSの場合、顧客企業の情報は社内のサーバーで管理する必要があり、ハッキングなどのセキュリティリスクが常につきまとっていました。その点、HubSpotであれば、厳格なセキュリティ対策を講じたベンダーのデータベース上に顧客情報を預けられるため、情報の管理に対する安心感がまるで違うんです。
(株式会社マネジメントソリューションズ アカウントマネジメント本部 ブランドマーケティング部 奥村拓氏)
遠藤(ハンドレッド):WordPressのようなオープンソース型CMSは自由度が高く、初期コストも抑えられる反面、セキュリティ管理は基本的に自社で担わなければなりません。サーバーの保守運用費などを含めて考えると、SaaS型CMSを導入する場合と大きな差がないケースも多くあります。特にセキュリティ面に不安を感じる企業にとっては、ベンダー側が保守・運用まで担ってくれるSaaS型CMSは、非常に合理的な選択肢になりますね。
成田氏:今回私たちが100さんにご依頼したのは、「MSOLが持つ多様なサービス群を、より分かりやすく、より戦略的に発信するためのサービスサイトを新たに立ち上げたい」というものでした。
遠藤(ハンドレッド):今回のプロジェクトの初期フェーズでは、まず「どの情報を、誰に、どう届けるべきか」という根本的な設計の見直しからご一緒させていただきました。実際のユーザーは、必ずしもPMO支援やPROEVER®といったサービス名を知って検索してくるわけではありません。多くの場合、「プロジェクトが思うように進まない」「外部のPMOを入れるべきか迷っている」といった課題の感覚から情報にアクセスしようとします。
だからこそ、今回のサービスサイトでは、課題を起点にサービスを見せていくという情報設計の考え方を軸に据えました。具体的には、サービスサイトの上部で「プロジェクトの状況がつかめず、迅速な意思決定が行えない」「プロジェクト数に対してPMを任せられる人材が不足している」といった課題を提示し、それに対するソリューションとしてMSOLのPMO支援やトレーニング、ツールの活用がどう有効なのかを示す構成にしています。
このように、ユーザーの視点に立って情報を再構築することで、関心の高まりに応じてコンテンツを自分ごと化しながら読み進めてもらえます。そうした構成が、結果として問い合わせや資料請求といった具体的なアクションにつながる導線にもなっていきます。
奥村氏:中でも特に注力したのが「トレーニング」カテゴリの構築です。社内からの更新要望も非常に多く、情報の鮮度が重要な領域だったため、ここを先行して独立公開する方針をとりました。従来は1ページに簡易な紹介を載せているだけでしたが、今回はブログ形式での展開ができるよう構造を見直しました。
(先行公開したトレーニングページ)
たとえば、研修の開催日や申込受付、過去のセミナー動画といったコンテンツをタイムリーに発信できるようになったことで、ユーザーとの接点が増え、社内のマーケティング施策との連動性も高まってきたと感じています。
さらに、これまで社内で一元管理できていなかった資料ダウンロードも整理し、新たに専用のページを立ち上げました。以前は複数のページに散在していた資料リンクを一箇所に集約し、ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできるようにしただけでなく、ダウンロード数の可視化や、その後のメール施策などナーチャリングにも活かせる導線が整いました。営業部門との連携強化という点でも、大きな一歩だったと思います。
(点在していた資料をまとめたダウンロードページ)
遠藤(ハンドレッド):そして、MSOLさんのサービスの特性上、非常に重要だったのが「誰が支援するのか」という点です。PMO支援という仕事は、ツールや仕組みだけでは完結せず、実際に現場で支える人の力が成功を大きく左右します。だからこそ、コンサルタント紹介ページを新たに設け、顔写真や略歴、担当領域なども掲載しました。
単なる機能説明ではなく、「この人たちが支援してくれるんだ」とリアルに想像してもらえる構成にすることで、感情的な共感が生まれやすくなり、結果的に問い合わせ率にも良い影響が出ていると感じています。
また、導入実績の訴求という意味では、事例コンテンツの整理も大きなテーマでした。これまでは掲載形式がバラバラで、読者が求める情報にうまくたどり着けない状況がありました。今回は、インタビュー形式で深掘りする事例と、テキスト中心で簡潔に紹介する事例とで形式を整理し、両方をバランス良く展開できる構成に再設計しました。HubSpot CMSにはブログ機能も実装しているので、社内で更新しやすい体制も整っています。
奥村氏:CMSとしてHubSpotを選んだことで、私たちが自ら手を動かし、ページの修正や公開ができるようになったのは本当に大きな変化でした。更新のスピード感や柔軟性は、以前とは比べ物になりません。
加えて、コンバージョンにつながるフォームについても見直しを図りました。セミナーやトレーニングページにはフォームをページ内に直接埋め込み、ユーザーが別タブに遷移することなく完結できる導線にすることで、体験の向上と入力率の向上の両立を実現しています。
成田氏:特定の施策にあわせてランディングページを個別に設計したことも成果の1つです。とくにトレーニング関連では、キャンペーンごとに訴求対象を明確にし、そのニーズに最適化したLPを用意することで、短期間でもしっかりと成果が出せる体制をつくりました。なかには現時点でまだ公開されていないページもありますが、必要に応じてすぐに展開できる準備は整っています。
最終的に今回のプロジェクトは、単にサイトを整理することが目的ではなく、「誰に、何を、どう伝えるか」という設計思想の部分から、社内外の運用体制、コンテンツ制作フロー、マーケティング起点でのリード獲得とナーチャリングの仕組みまで、全方位から見直す大規模な取り組みとなりました。
完成したサービスサイトは、ただ情報を並べるためのページではなく、私たちMSOLがこれから成長していくためのマーケティングエンジンとして機能するプラットフォームになったと、実感しています。
成田氏:一番の課題は、やはりコンテンツ制作のスケジュール調整でした。サービス内容をしっかり伝えるためには、各部門の責任者・担当者からのヒアリングが不可欠ですが、皆さん本当に忙しくて……。お願いしてもすぐに時間が取れず、気がつけば締切がどんどん先送りになっていく、ということが何度もありました。
奥村氏:さらに言うと、社内のレビュー体制自体が整っていなかったことも、運用面での大きな課題でした。新しい原稿が上がってきても、最終的に誰が承認するのかが明確でなく、さまざまな立場の人からそれぞれ違う視点でフィードバックが入る。その結果、修正が重なり、なかなか前に進まないという事態もありました。
例えば、PMOの観点では問題がないとしても、ブランド戦略の視点から見ると違和感が生じるケースがあります。また、単語や表現に関して自社のブランドトーンと合わないといった指摘を受けることもあります。こうした調整には非常に時間を要しましたが、それだけブランドを大切に考えていることの表れだと捉えています。
成田氏:そうですね。確かに苦労は多かったですが、逆に言えば、どの言葉で、どのような印象を与えるかということを、会社全体で真剣に考えているという証でもあります。ブランドマーケティング部だけでなく、組織全体としてブランドに責任を持とうとしている姿勢は、今思えば健全なプロセスだったと感じています。
成田氏:最も大きな成果として実感しているのは、リード獲得のハードルが明らかに下がったという点です。サイト公開以降、PMOや、トレーニング、PROEVER®などに関する問い合わせや資料のダウンロード件数は確実に増えています。それがインサイドセールスへの連携数の伸びにもつながっていると感じています。
これまでは、資料請求フォームを1つ設置するにも、社内調整や外注対応が必要でした。スピード感のある施策展開は正直困難でした。しかし現在は、HubSpot CMSを導入したことで、マーケティングチーム自身がフォームの作成や調整をリアルタイムで行えるようになりました。その結果、状況に応じて即座に施策を動かせるようになり、PDCAサイクルを回すスピードも格段に上がりました。
たとえば、とにかく急いで問い合わせをしたい顧客向けに、トップページにバナーを設置したり、セミナー詳細ページにポップアップを出したりといった対応を、すぐに自分たちで実装できるようになったのは、以前では考えられない変化です。しかも、施策の成果がすぐに数値で可視化されるので、感覚ではなくデータに基づいた改善ができるようになったことも、私たちにとっては非常に大きな進歩でした。
遠藤(ハンドレッド):今回のプロジェクトでは、まずCMSとしての使いやすさや情報設計の再構築が中心でしたが、今後の活用次第では、HubSpotをCRMやマーケティングオートメーションの基盤としてより広範囲に展開できるポテンシャルがあると感じています。
たとえば、資料請求後の自動返信やセミナー参加者へのフォローアップ、さらにはナーチャリングメールの配信といった一連のプロセスも、社内で自走可能な形で整備していけるはずです。これまで外注していた対応を自分たちの手でスピーディーに回せるようになると、マーケティング活動の即応性と柔軟性は大きく向上します。
MSOLさんのように、ブランドや顧客体験を大切にしながら施策を積み上げていく企業にとって、HubSpotのような統合型プラットフォームは、中長期的な施策運用の基盤として相性が良いとあらためて実感しています。
(遠藤 祐太朗 株式会社100 取締役 プロジェクト責任者)
奥村氏:営業部門側でも、大きな変化がありました。今年からSalesforceを本格的に導入して、SFAの運用がスタートしました。それまでは、自社のプロジェクト管理ツールであるPROEVER®をSFA的に代用していたのですが、やはり営業情報の蓄積や分析には限界がありました。
SalesforceとHubSpotを連携させることで、今後はマーケティングで獲得したリードが、そのまま営業活動に引き継がれ、受注後のフォローアップまで一貫してトラッキングできる体制を整備していく予定です。
もちろん、全体の活用レベルには伸びしろがあり、まだまだ課題もありますが、それでも今回のプロジェクトで必要な仕組みの土台がきちんと整った点は、大きな前進だったと思います。
成田氏:はい、これは今回のプロジェクトで得られた中でも、最も大きな成果の1つです。属人的なWebサイトの更新体制から、チームで自律的にWebサイトを運用できる体制へシフトできたことです。
Webサイトの修正1つにも特定の担当者に依存度が高く、その担当者が不在の場合や多忙な際には、対応が滞ってしまうことが頻繁にありました。特に迅速な対応が求められる施策においては、この属人化された運用が大きな課題となっていたのです。
しかし、今回のサービスサイトの立ち上げとHubspotの導入によって、状況は大きく改善しました。現在では、マーケティングチームのメンバーが主体的にページ更新、バナーの差し替え、記事の投稿などを、自分たちの手で行えるようになりました。専門的な知識を持たないメンバーでも、直感的に操作ができるようになったことに加え、チーム内で協力して運用を進めるという意識も醸成されたと感じています。
成田氏:今後注力していくのは、「質の高いリードを持続的に獲得できる状態」の構築です。現在も多くの企業様からお問い合わせをいただいておりますが 、より理想的なのは、プロジェクトにおける具体的な課題を感じている企業様に、MSOLの提供する専門性と実績を知っていただき、課題解決への期待感を持って、自らご相談いただけるような流れを作ることです。
現状、リードの獲得は広告媒体や外部施策に依存する傾向があり、一過性の施策に偏っている側面があります。もちろんこれらのチャネルも重要ですが、本質的には自社発信のコンテンツ、SEO、自然検索などを通して流入したユーザーが、「この会社に相談してみたい」と感じてお問い合わせいただける状態が最も望ましいと考えています。
これは容易なことではありませんが、今後その比重を少しずつでも高めていけるよう、コンテンツの質、情報の届け方をさらに磨いていく必要があると感じています。
奥村氏:私たちが目指しているのは、「MSOLはPMOに関する相談ができる会社なんだ」と、ユーザーが自然に認識し、自発的にアクションを起こしてくれる状態です。特に、「プロジェクトが上手く進んでいない」「PMOを外部に任せるべきか悩んでいる」といった具体的な課題をお持ちの方々に、いかに適切な情報を届けるかが、今後の重要なポイントだと考えています。
そのため、これからのマーケティング施策は単なるリード獲得に留まらず、「質の高い相談を生み出す仕組みづくり」へとシフトしていく必要があります。今回導入したHubSpotを最大限に活用しながら、私たちが本来目指すべきマーケティングのあり方を着実に実現していきたいと考えています。
※記事中の部署名、役職名等は取材時のものです。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
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