業種
ITサービス、ITコンサルティング
従業員数
101名〜300名
ご支援前の課題
・旧サイトは製品情報の羅列に近く、提供する価値が十分に伝わりづらい
・流入のほとんどが社名検索経由で、新たな見込み顧客の獲得が困難
・HTML中心で構築されていたため、情報発信のスピードや柔軟性が低く、マーケティング施策の展開に制約があった
ご支援後の成果
・迅速にページ更新や施策展開を行える自走型の運用体制を確立
・営業が商談時にWebサイトを資料として活用できるようになり、会社紹介や強みの説明がより円滑に
・HubSpotのテンプレートおよびモジュールにより、非エンジニアでもページ更新が可能になり、情報発信のスピードと柔軟性が向上
株式会社アイ・エス・アイソフトウェアー(以下、ISIソフトウェアー)は、業務システムの導入支援から運用までを一貫して担うITソリューション企業です。単なる製品の販売にとどまらず、顧客の業務課題に寄り添い、最適な解決策を提案・実行する点が特長です。
同社が以前から抱えていた課題は、ISIソフトウェアーがどのような企業なのかが外部からは伝わりづらいという点でした。旧コーポレートサイトは製品単体の情報が中心で、企業としての価値や姿勢が見えにくく、結果的に問い合わせもほとんど発生していませんでした。
この状況を受けて、同社はコーポレートサイトの全面リニューアルを決断。HubSpotを活用し、サイト全体の構成や導線を再設計することで、ISIソフトウェアーが提供する価値を明確に伝えられる構成へと刷新しました。
本記事では、プロジェクトをリードした同社マーケティング部の会見 卓矢様に、リニューアルに至る背景から具体的な施策、得られた成果、そして今後の展望まで、詳しくお話を伺います。
会見氏:一言で表現するなら、お客様の課題解決を支援するITソリューション企業です。特定の製品を販売するのではなく、お客様ごとの課題に応じて、最適なソリューションを組み合わせてご提案しています。もちろん、取り扱っている製品やツールは多岐にわたりますが、それらを単体で提供するのではなく、コンサルティングの立場から、どう組み合わせることで最適な解決策となるかという視点で支援を行うのが、私たちのスタイルです。
提案後は、お客様の課題をもとに要件定義や導入支援を行い、最終的にはお客様の課題をITの力で解決するところまで伴走します。お客様の業務に深く関与し、最も効果的なソリューションを共に考えるパートナーでありたいと考えています。
会見氏:弊社には大きく分けて二つのマーケティング部門があります。一つは製品やソリューション単位での情報発信を担うソリューション事業部のマーケティングチーム、もう一つは私が所属する、会社全体を統括するコーポレートマーケティングチームです。ソリューション事業部では、各プロダクトの担当者が主体となり、各部門の製品やサービスに関する情報を発信しています。一方、私たちコーポレート部門は、企業全体としてのブランド設計やサイト全体の運用方針を担っており、どのように企業としての姿勢や価値を伝えていくかを設計・推進する役割をはたしています。
私はその中でも、会社の顔を作る立場として、どのように社会や顧客に見られたいか、どういった印象を持ってもらいたいかを起点に戦略を立て、情報発信の内容やトーンを調整しています。
加えて、私は社内の研究開発部門にあたるISIラボにも所属しています。このチームは、マーケティングや情報システムなどの間接部門で構成されており、社内での新規事業創出や技術開発の中核的な役割を担っています。私はその中でも比較的中心的なポジションにあり、新しい取り組みをリードする立場として活動しています。
業務は多岐にわたりますが、すべての活動の根底には、企業としての方向性をどう描くか、どのように社会に示していくかという視点があります。そのため、私自身が率先して情報発信を行い、社内外に向けた新たな動きを形にしていくことが重要だと感じています。
会見氏:最大の課題は、会社の訴求ポイントとサイト構成が大きく乖離していたことです。弊社はGRANDIT、Box、Power Platformなど複数のIT製品を扱い、お客様の課題に応じたツールの選定から運用支援までを提供しています。しかし、以前のコーポレートサイトは製品の羅列に近く、それぞれの製品ページに遷移できる構成ではあったものの、ISIソフトウェアーがどのような価値を提供する企業なのかが伝わりにくい状態でした。要するに、製品ページの集合体にとどまっていたのです。
当初、私たちのビジネスはプロダクトファーストの姿勢で、各製品のスペックや機能を前面に打ち出すアプローチを取っていました。しかし、事業の方向性は年々変化し、「この会社に頼めば、さまざまなことを包括的に任せられる」というメッセージを明確に発信する必要性が高まってきました。製品の機能紹介だけでなく、それを提供する背景やお客様にもたらす価値といった本質的な情報が不足しているという認識が、社内にも広がりました。
その結果として浮かび上がったのが、サイトを訪れても会社の強みがわからない、ISIソフトウェアーが何をしているのか見えてこないといった声です。これは、私たち自身が強く課題と感じていた点であり、特に初めて訪れる方にとっては、企業の全体像が伝わらず、信頼感を抱いてもらう以前の段階で離脱されてしまうリスクがありました。
(リニューアル前のWebサイト)
信太(ハンドレッド):初めて訪れるユーザーは、自分の課題にどの製品がマッチするかを判断する以前に、その企業が信頼に足る存在かどうか、総合的なパートナーになり得るかどうかを直感的に見極めようとします。だからこそ、コーポレートサイトには、企業としての姿勢や強み、どのような価値を提供できるのかという全体のストーリーが欠かせません。
また、製品スペックや機能だけを訴求する手法は、比較検討の段階に入ったユーザーには有効ですが、そもそもニーズに気づいていない層や信頼関係がまだ築けていない潜在顧客には届きにくいという課題があります。そうした顧客にとっては、まずその企業がどのような問題意識を持ち、どのような視点でソリューションを提供しているかという情報の方が重要です。
会見氏:当時は流入の大半が社名検索(バイネーム)経由でした。つまり、私たちの存在をすでに知っている人だけがサイトを訪れていた状態です。これでは、新しいリードや見込み顧客の創出にはつながらず、マーケティング活動としての価値が十分に発揮できていないと感じていました。
さらに、問い合わせやコンバージョンといった定量的成果の少なさも課題でした。当時のコーポレートサイトからの問い合わせは、実質ゼロに近い状態が続いていました。もちろん、各製品ページ経由での問い合わせはありましたが、それは課題が顕在化し、解決策がある程度目安がついているお客様からの問い合わせです。
まだ課題や解決策がわかっていない潜在層、たとえば「こんな課題があるけど、解決できるかな」といったより広い視点でのコンタクトはまったくといっていいほど来ていませんでした。
信太(ハンドレッド):今回のプロジェクトで最初に共有いただいた課題は、リードをしっかりと獲得できるコーポレートサイトにしたいというものでした。その中でも特に重視されたのが、訪問者の動きを意識した導線設計と全体のUXの最適化でした。
ISIソフトウェアー様からは、従来の製品単位の情報発信では会社としての価値が伝わりにくいという問題意識があり、サイトの構成自体を大きく見直したいという明確な意向をキックオフの時点から伺っていました。企業として何をしているのか、どのような強みがあるのかが一目で伝わるようにしたいという思いを受けました。
会見氏:最初にHubSpotを導入したのは、今からおよそ6〜7年前のことです。当時、私は選定には直接関わっていませんでしたが、プロジェクトメンバーの一人として導入フェーズには参加していました。実はこのとき、HubSpotの導入は、当時ERP事業の責任者だった現社長の判断で決まりました。社長は「営業を介さず、デジタルだけで販売する」という強い方針を持っていたのです。
その方針を実現するためのマーケティングツールを探す中で、ちょうどHubSpotに出会いました。聞くところによると、社長がアメリカ出張中に現地で話を聞く機会があり、当時日本ではまだ浸透していなかったHubSpotの思想、すなわちインバウンドマーケティングの考え方に強く共感したことが、導入の決め手になったようです。
(HubSpot社が提唱するインバウンドマーケティング)
信太(ハンドレッド):インバウンドマーケティングは、企業がお客様にとって有益な情報を継続的に提供し、信頼関係を築いたうえで、最終的に自社を選んでもらうという考え方です。インターネットが普及していなかった時代には、お客様が得られる情報はテレビCMや訪問営業などに限られていました。しかし現代では、膨大な情報に日常的に接しており、そうした環境下ではインバウンドの考え方にもとづく施策推進が重要になります。特に、ISIソフトウェアー様のようにデジタル空間での売上創出を目指す企業にとっては、欠かせない視点といえるでしょう。
会見氏:複数のツールを比較検討した結果、CMS(コンテンツ管理システム)とMA(マーケティングオートメーション)ツールの両方をHubSpotで統一導入することにしました。そのまま数年間にわたって公式サイトの基盤として活用していたのですが、今回のリニューアルに際してもCMSは引き続きHubSpotでいこうという方針が自然に決まりました。
会見氏:一度は他のツールへの乗り換えも検討しました。とはいえ、実際にはソリューション事業部がすでにHubSpot上に多数のページを保有しており、それらをすぐに別の環境へ移行するのは現実的ではありませんでした。また、MAツールとして引き続きHubSpotを使用する方針が固まっていた中で、CMSだけを別にすると運用が煩雑になる懸念もありました。
実際、異なるプラットフォームを併用すると、UIの違いや編集権限の扱いで混乱が生じることが少なくありません。こうした背景からも、同一プラットフォーム上で、社内の誰もが扱いやすいというHubSpotの特性は魅力的でした。さらに、すでに蓄積されたHubSpot上での運用ノウハウや社内のリテラシーが活かせるため、ゼロから再学習する必要がないという点も、継続利用を決めた理由の一つです。
信太(ハンドレッド):実際、CMSとMAやSFAを分けて運用している企業の中には、情報連携の齟齬や更新作業の煩雑さに悩まれるケースが少なくありません。HubSpotのように、コンテンツ制作からリード管理、メール配信、分析までが一体となったプラットフォームは、業務効率と精度を両立させる上で有効です。ISIソフトウェアー様のように、限られたリソースで最大限の効果を出すには、こうした統合プラットフォームの活用が鍵になると感じています。
(統合型Smart CRM「HubSpot」)
会見氏:社内のプロジェクト体制としては、基本的に私と部下2名の合計3名で進めていました。小規模なチームではありましたが、意思決定も早く、ある程度裁量をもって動ける体制だったのは大きかったですね。必要に応じて、社長や各プロダクトの部門長に確認を取りながら進めるスタイルでしたが、全体としては私たちのチームに任せてもらえていた印象です。
ただ、その分責任も大きく、特にサイト全体のブランディングやトーン&マナーを決める部分は、私自身がかなり力を入れて取り組みました。
信太(ハンドレッド):弊社側の体制としては、進行管理を担うディレクターを中心に、デザイナーとエンジニアが加わる構成でした。私は全体の統括と裏側での調整役としてプロジェクト全体をサポートしながら、定例のコミュニケーションにも同席していました。
コミュニケーション体制としては、週に一度の定例会を実施し、会見様とそのチームの方々と一緒にフェーズごとに進捗の共有とすり合わせを行っていました。設計、デザイン、構築という提案の中で、特に設計とデザインのフェーズでは、会見様にかなりの時間と労力を割いていただき、会社としての考えや方向性をしっかりと共有いただけたことが印象的です。
どのように会社を見せていくか、何を強みとして打ち出すかといった点について、非常に丁寧なディスカッションを重ねさせていただきました。その過程で私たちも企業理解を深め、細部の設計にまでしっかりと落とし込んでいくことで、ようやく完成形に近づけられたと感じています。
構築フェーズについては、設計とデザインがしっかり固まっていた分、比較的スムーズに進められました。やはり前段階での議論や共有の質が高かったからこそ、最終的に納得感のあるアウトプットにつながったのだと思います。
会見氏:私たちとしても、サイト全体の見せ方にはかなりこだわりました。会社として社外に発信したいイメージやブランディングの方向性を丁寧に検討しながら、それを実際のデザインに落とし込んでいく作業には、やはり苦労しましたね。とはいえ、基本的には自由に進めさせてもらえる環境でしたので、自分たちの理想とする形をしっかり模索できたのはありがたかったです。
信太(ハンドレッド):今回のリニューアルでは、全体を一新したわけではなく、コーポレートサイト部分をフルリニューアルしつつ、各サービスページについては既存の内容を活かす形を取りました。そのため、既存ページと新設ページの間で、どのように導線をつなげていくかという点が大きなポイントになりました。
(本プロジェクトでリニューアルしたトップページ)
特にチャレンジングな点だったのは、どの情報へ、どのように誘導するのが訪問者にとって自然かつ有益かという導線設計の部分です。サービスページも含めると全体のページ数が多いため、まずは情報の構成を俯瞰して整理するところから着手しました。
単にヘッダーのナビゲーションを整えるだけではなく、ブログ記事から製品紹介ページへの導線、製品ページからソリューション全体への回帰導線など、ユーザーが迷わずに必要な情報へたどり着けるルートを丁寧に設計する必要がありました。
加えて、今回のリニューアル時点では対応しきれなかった運用面の課題、たとえば今後ブログ側にどのような導線を設けていくかといった観点も、初期段階から視野に入れて設計しました。これらの情報設計を通して、訪問者にとっての体験価値を高めながら、御社の目的であるリード獲得につながるような構造を意識して全体を構築していきました。
会見氏:また、サービスメニューの構成を大きく見直しました。以前は、各プロダクト名をそのままサービス一覧として並べていたため、製品に詳しい方には情報が届いても、もう少し抽象度の高い課題を持つ方には届きづらい構成でした。そこで、課題、サービスカテゴリ、具体的な製品という3軸に再編成しました。
たとえば「業務の見える化をしたい」「DXに取り組みたい」といった、まだソリューションや製品名まで具体化していない課題を持つ方にも、それに対応するサービスや製品を自然に見つけてもらえる、または問い合わせを受けて私たちが提案できる導線にしています。
(提供しているサービスを3軸で紹介しているトップページ)
これは、上流のフェーズで課題を抱える潜在層にアプローチするために重要な設計でしたし、実際に問い合わせ内容の幅も広がってきている実感があります。私たちが伝えたかった「ISIソフトウェアーなら包括的に相談できる」というメッセージが、構造からも伝わるようになったのではないかと思います。
さらに、これまでのサイトは製品ページへ直接遷移する構成だったため、いきなり製品情報に触れる形になっており、そもそもその製品がどのような課題を解決するのか、なぜ必要なのかといった背景が伝わりにくいものでした。
そこで今回は、まずカテゴリー全体の解説ページを設け、その中で各製品を紹介する構造へと整理しました。たとえば「SFA」のカテゴリーを選ぶと、まずSFAとは何か、どのような機能を持ち、どのような効果が期待できるのかが説明され、その下に具体的な製品が並ぶ構成です。
(同社のSFA製品ページ。概要、機能、効果の順に説明される)
制作にあたっては、各プロダクトを担当するマーケティングメンバーと密に連携し、製品の特徴や導入事例、顧客が抱える典型的な課題など、現場が把握しているリアルな情報を収集しました。そうした一次情報をもとに、カテゴリーページや製品ページの構成を丁寧に検討したことで、課題解決につながる説得力ある内容に仕上がったと考えています。
信太(ハンドレッド):カテゴリー別の中間ページを新設し、サービス全体を俯瞰してから各プロダクトへ誘導する構成は、情報設計の観点からも理にかなっています。特に今回のように、複数のサービスを展開されている企業様の場合、それぞれのサービスの位置づけや役割が訪問者にとって直感的に理解できることが、コンバージョンにつながる大きな要因になります。
実際に構成案を拝見した際も、ユーザーが自身の課題に対し、どの領域のサービスがマッチするのかを自然に導けるような情報の流れが確保されており、コンテンツ同士の関係性も明確でした。こうした構造を的確に整理し、かつわかりやすく見せる設計は、我々としてもプロジェクトの中で重要視したポイントであり、今回それがしっかりと形になっていることに手応えを感じています。
会見氏:定量的な成果として最も大きかったのは、問い合わせ数の増加です。リニューアル前は、コーポレートサイト経由での問い合わせはほぼゼロでした。それが、リニューアル後は月に数件ではありますが発生するようになりました。まだ数字的には大きなインパクトではないかもしれませんが、ISIソフトウェアーとしての価値に興味を持った方からの相談が来るようになったことは大きな前進です。
特に以前は、この製品について教えてほしいというプロダクト単体への問い合わせしかありませんでした。それが今では、「DXに取り組みたい」「課題に対してこういうことをお願いできないか」といった、より上流の相談内容が増えました。つまり、会社としての提案力や問題解決力に期待してコンタクトしていただけるようになったのです。これは、リニューアルで目指していた方向そのものですし、まさに私たちが伝えたかったメッセージが届いている証拠だと受け止めています。
会見氏:定性的な変化としては、営業部門からの反応が印象的でした。以前は商談中に事業内容を聞かれても、すぐに説明できる資料やWebページがなく、都度説明に苦労していたようです。それが今では、商談の補助資料としてWebサイトを提示するだけで、事業内容や強みが自然と伝わるようになり、信頼感の醸成やクロージングに役立っているという声が挙がっています。
また、サイト全体の構成や導線も見直したことで、訪問者の回遊性が上がり、滞在時間が伸びたという実感があります。以前は直帰率も高く、閲覧されるのは特定の製品ページばかりでしたが、今ではサービス全体を見渡してから、個別製品に興味を持っていただけるような流れが生まれてきています。これは、ユーザーが直感的に製品を探せるようになったことの成果だと考えています。
信太(ハンドレッド):今回のリニューアルで、訪問者がトップページからサービス全体を俯瞰できるようになり、自然な導線で各製品ページにたどり着ける構成に整えたことで、企業理解の深化と滞在時間の延長が実現できました。
また、直帰率の低下や回遊性の向上といった指標は、単にUIの改善だけでなく、訪問者が「このサイトには自分に必要な情報がある」と感じてくれている証でもあります。そうした定性的・定量的な変化が営業やマーケティングの現場にも波及しているというお話を伺い、私たちとしても非常に嬉しく思っています。
会見氏:100社に依頼したCMSテンプレートとモジュールの一新も役立っています。前回のサイトでは、ほとんどHTMLで記述していたため、汎用性や拡張性に乏しく、私のようにエンジニアバックグラウンドがある者でなければ触ることが難しい状態でした。
(Content Hubで作成されたテンプレート)
それが今回のリニューアルでは、あらかじめ用意されたモジュールを活用することで、新たなページを簡単に作成・修正できるようになりました。特に社内の他メンバーでも運用しやすくなった点は大きなメリットで、情報発信のスピードや柔軟性が格段に向上しました。これは、将来的なコンテンツ拡充やプロダクト側の施策とも連動しやすくなる大きな布石になったと感じています。
信太(ハンドレッド):まさにその点は、今回の設計で最も重視した部分のひとつです。運用フェーズに入った際、社内の複数のメンバーがスムーズにWeb更新を行えるかどうかは、企業としての発信力に直結します。特にマーケティングや営業など、コンテンツ制作の中心になりうる部門の方々が自走できる環境を整えることは、継続的なリード獲得にもつながります。
今回、会見様から運用のしやすさという観点を早い段階から明確にお伝えいただいていたことで、私たちもテンプレートやモジュールの設計においてその実用性を徹底的に追求できました。
会見氏:まずは企業としての露出を増やしていきたいというのが大きな目標です。まだまだ「ISIソフトウェアーは何をしている会社?」と聞かれることが多く、認知度という意味では課題が残っていると感じています。今回のリニューアルで、弊社の事業内容や強みはある程度伝えられるようになったと思っていますが、それをさらに広く知ってもらうためには、より積極的な情報発信が必要だと考えています。
また、ソリューション事業部の製品サイトのリニューアルも視野に入れています。今のコーポレートサイトと同じように、プロダクト単体のスペックを伝えるだけではなく、ソリューションとしてどのように価値を提供できるかをしっかりと訴求していく構成に変えていきたいと思っています。現在は各製品の特徴が点で並んでいる状態なので、点在していた情報を面として統合的に訴求できる設計にしていければと考えています。
会見氏:現在はContent HubとMarketing Hubの両方を使っていますが、実はMarketing Hubは一部機能しか使いこなせていないというのが正直なところです。HubSpotは、AI機能など新しい機能がどんどん追加されているのに、情報が追いついていなかったり、活用方法が見えていなかったりする部分があります。今後は、そうした機能にも目を向けて、より効果的な使い方を模索していきたいと考えています。
(HubSpot AI機能 Breeze)
また、社内の営業部門とはまだ情報連携が完全とはいえません。今、営業ツールとHubSpotとどう連携していくかというのが一つの課題になっています。マーケと営業を分断せず、1つの流れでリードの獲得からナーチャリング、クロージングまでを一気通貫で進められる体制を作ることが、次のステップだと捉えています。
マーケティングは、やればすぐに成果が出るというものではありませんが、着実に手を打ち続けることで必ず将来の成果につながると信じています。今回のリニューアルをその第一歩として、さらに発展的な取り組みを続けていきたいです。
※記事中の部署名、役職名等は取材時のものです。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。