事例・実績紹介
Case Study
株式会社MSOL Digital

3か月でコーポレートサイト構築!経営直轄プロジェクトで成果を挙げたMSOL Digitalの事例

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業種

デジタル変革の支援、DXフレームワーク、CXOサポートフレームワーク、アジャイル・データ分析、ノーコード/ローコード開発

従業員数

101名〜300名

ご支援前の課題

・限られたリソースで3か月以内にWebサイトを構築する必要があった
・ビジネスアジャイル®・システムコンサルティング・DX推進など専門サービスを直感的に伝えたかった
・採用強化に向け、自社の価値観やカルチャーを示すコンテンツの作成に苦慮していた

ご支援後の成果

・公開後わずか数 か月で、カジュアル面談・直接応募が継続増
・商談後の閲覧ページを可視化し、営業アプローチをリアルタイム最適化
・各ソリューションの強みを明文化し、対外理解と採用ブランディングを強化

株式会社MSOL Digitalは株式会社マネジメントソリューションズ(以下、MSOL)の新たな子会社として設立され、IT・デジタル分野の変革支援を担っています。ITコンサルティングや上流のDX支援を手がけるこの新会社は、2024年1月の設立と同時に、自社の理念や提供価値を発信するコーポレートサイトを立ち上げることが急務となっていました。

しかし、分社化確定後の立ち上げ準備期間にやるべきことは非常に多く、コーポレートサイトに使える時間はわずか数か月。多忙な中で、体制の整備や事業戦略の具体化も並行して進める必要がありました。さらに、ビジネスアジャイル®・システムコンサルティング・DX推進といった抽象度の高いソリューションを、どのようにわかりやすく伝えるかという課題も浮上しました。

そこで同社が採用したのが、マーケティング機能とCMSが一体化したHubSpot 『Content Hub』です。限られた時間とリソースの中、経営陣、IT責任者、コンテンツ制作の支援チームが連携し、初期コンテンツを整備。迅速かつ的確な立ち上げを実現しました。

今回お話を伺ったのは、株式会社MSOL Digitalの目黒 広和様と山田 智久様。プロジェクトをリードされたお二人に、立ち上げ期ならではの課題と、その乗り越え方についてお話を伺いました。

マネジメントとデジタルの融合へーMSOL Digitalが目指す伴走型DX支援

まずは御社の事業について教えてください。

目黒氏:私たち株式会社MSOL Digitalは、2024年1月に株式会社MSOLから分社化して設立された企業です。MSOLはもともとプロジェクトマネジメント支援、いわゆるPMO領域に強みを持つ会社ですが、その中でMSOL Digitalはマネジメントに加えて「デジタル」というキーワードを掲げ、新たにデジタル領域における変革支援を担う目的で立ち上がりました。

背景にあるのは、クライアント企業によるDX推進の加速です。従来、私たちはPMOとしてクライアントのビジネス変革に伴走してきましたが、近年ではAIやクラウドの利活用、レガシーシステムの更改、アジャイル開発、データ基盤構築といったより専門的なニーズが増しています。こうした変化に対応するには、柔軟性と機動力に優れた体制が不可欠であると判断しました。そこでMSOLのDigital事業部を母体とし、専門性の高い人材を揃えたチームとして、MSOL Digitalを独立させたのです。


株式会社MSOL Digitalが提供しているサービス

(株式会社MSOL Digitalが提供しているサービス)

山田氏:特長はマネジメントとデジタルを高いレベルで両立している点にあります。PMOとしてプロジェクトの成功を支援する一方で、自ら開発や構築にも携われる体制を備えており、構想から実行までを一貫して担える点が大きな強みです。

事業内容は多岐にわたり、プロジェクトマネジメント、システム開発、AI導入支援など、クライアントの課題に応じて柔軟な支援を提供しています。また、クライアントの立場に寄り添う伴走支援だけでなく、時にはベンダーの視点でプロダクト開発に関与するなど、立場を超えた価値提供にも力を入れています。

私たちが目指すのは、単なるデジタル化ではなく、上質なDXの実現です。課題の本質を見極め、組織変革や人材育成まで含めた総合的なアプローチにより、クライアントの持続的な成長を後押ししていきたいと考えています。

MSOL Digitalの4つの強みMSOL Digitalの4つの強み

お二人が所属されている部署と、その役割・ミッションについて教えてください。

目黒氏:私たちが所属するのは「Internal to External Dept.」という部署で、これまで情報システム部門として社内で培った取り組みやナレッジを、社外に展開していくことを目的に設立されました。私はもともと社内の情報システム部門を立ち上げ、IT戦略を策定し、データマネジメントを核としながら、ERP導入を含む多くのシステム構築やSaaS導入、ITインフラ/セキュリティレベルの向上を手がけてきました。そこで得られた知見や成功体験が、クライアントにも価値として還元できるという構想から、この部署がスタートしています。

この部署の担う役割は、社内の基盤整備やパッケージの導入、PMOにとどまりません。たとえば、私たちはクライアントに対してDX支援やデジタルマーケティング、AIを用いたシステム開発といったソリューションも提供していますが、これらは一度社内で実験として取り組んだ施策がベースになっています。自社で試行錯誤を重ね、成果の出たモデルを外部に向けたサービスへと昇華させる。つまり、内製と外販の中間領域に位置づけられる機能を持つのが、このInternal to External Dept.です。

また、MSOL Digitalには専任の情シス担当者やマーケティング担当者はいません。私たちが兼任で情報システム機能やWeb・コンテンツの領域を担っています。とはいえ、単なる補完的な役割ではなく、自分たちで最新の技術に触れ、自分たちがレベルアップをしながら、会社を育てていき、お客様にも貢献するという主体的な姿勢で業務に取り組んでいます。自らKPIを設定し、戦略的に動く文化が根付いているからこそ、限られたリソースでも質の高い成果を生み出せていると感じています。

目黒 広和氏 株式会社MSOL Digital  Internal to External Dept./ Director

(目黒 広和氏 株式会社MSOL Digital  Internal to External Dept./ Director)

山田氏:私は分社化直後に入社しましたが、その時期はちょうどコーポレートサイトの公開から1か月ほどが経過したタイミングでした。これまで長年にわたりWeb領域、特にデジタルマーケティングに携わってきた経験があり、現在はその経験を活かしてお客様企業の情シス部門とマーケティング部門の連携支援などを担当しつつ、社内業務としてコーポレートサイトの運用とHubSpotを活用したマーケティング施策の実行を担当しています。

実務面では、日々の運用や改善を私自身が手がけており、サイト改善の計画立案やコンテンツのブラッシュアップ、アクセス解析に加えて、人財部と連携した採用関連コンテンツの設計にも取り組んでいます。

専任ではないものの、社内のワーキンググループと緊密に連携しながら、どうすればユーザーに響くかを常に意識して施策を進めています。HubSpotの運用に関しても、自ら手を動かしながらノウハウを蓄積し、それを社内外に還元していく。そのプロセスこそが、部署名のとおり内から外へというミッションを体現するものだと考えています。

見せ方の難しさと人員の限界。分社化に伴う急ピッチのサイト構築

HubSpotを導入される前、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか。

目黒氏:最も大きな課題はサービスの見せ方にありました。MSOL Digitalは、マネジメントとデジタルを融合させたソリューションを強みとしていますが、その内容は一般的なプロダクトと異なり、抽象的かつ複雑な要素を多く含んでいます。たとえば、DX支援やアジャイル導入といったサービスは、多岐にわたる要素が絡み合っており、ユーザーに直感的に価値を伝えるのが困難です。その実態がWebサイト上ではどうしても見えにくく、伝え方に大きな課題を感じていました。

実際、分社化が決まった段階で、急ピッチでコーポレートサイトを構築する必要がありましたが、同時に、このソリューションをどう表現すれば伝わるのか、どう言語化すれば理解されやすいのかといった根本的な問いとも向き合っていました。従来のように情報を一覧化して並べる手法では不十分であり、私たちの価値を的確に語るためのコンテンツが不可欠でした。

もう一つの課題は、限られた人員体制の中でスピード感をもってサイトを立ち上げなければならなかった点です。分社化の時期は決まっており、それまでに必要最低限のコンテンツと運用体制を整える必要がありました。しかし、私たちには専任のWebマーケティング担当者はおらず、すべてを兼任で進めていたのです。

私自身も、コンテンツ企画から実装、改善、データ分析まで幅広く対応していましたが、限界は明らかでした。すべてを内製でまかなうのは非現実的で、どのCMSを採用するか、どのように運用設計を進めるか、どこまで外部パートナーと連携すべきかといった判断は、極めて重要でありながら、非常に難易度の高いものでした。

さらに、分社化に伴う採用活動の強化も急務であり、単に会社を紹介するだけでなく、共感を生むコンテンツを発信する必要もありました。そうした複数の目的を同時に達成しなければならないというプレッシャーも、当時は大きかったと記憶しています。

遠藤(ハンドレッド):今回のコーポレートサイトには、大きく2つの目的がありました。1つは、分社化によって新たなスタートを切ったMSOL Digital様が、DX支援など専門性の高いソリューションをいかにわかりやすく外部に伝えるかという点です。DXやアジャイルといった言葉は耳にする機会は多くても、その実態が把握しづらいことが多いため、そうした内容を丁寧に解きほぐし、問い合わせや案件獲得につながるような情報設計が求められていました。

もう1つの目的は、採用の強化です。これは分社化構想の段階から重要な要素として位置づけられており、MSOL Digital様のように立ち上げ期に優秀な人材を集める必要がある企業にとって、自社の価値観やカルチャーを発信できるWebサイトの存在は欠かせません。そのため、トップページのメインビジュアルにも、ソリューション訴求と採用訴求という2つの異なる目的に応じたデザインテイストが盛り込まれています。

MSOL Digital 採用トップページ

(同社の採用トップページ

こうした設計方針は、目黒さんを中心に、社長をはじめ経営層の皆様の意見を反映しながら、事前に丁寧な議論を重ねた上で決定されたものです。そのプロセス自体が、自分たちの会社を自分たちで作るというMSOL Digital様のカルチャーを象徴しているように思います。

CMSの選定において、最終的にHubSpotを導入された理由を教えてください。

目黒氏:MSOL Digitalの立ち上げにあたり、Webサイトの構築は事業会社として不可欠な施策でした。ただ、このプロジェクトが正式に立ち上がったのは他のタスクもあるなかで、分社化が差し迫ったタイミングで、猶予はほとんどなかったんです。制作に使えた期間も、3カ月弱だったと思います。

このような背景もあり、CMS の選定に十分な時間をかける余裕はなく、なるべく身軽なものとしたい、という想いが強かったです。そのため、仮想でもサーバーを必要とするWordPressやMovable Typeは、早々に検討からは外しました。実際、以前MSOL本体のコーポレートサイトをMovable Typeで構築し、CDNを活用した静的配信型の設計をした経験もあるため、CMSに関する一定の目利きは自負しています。その上で今回の要件、つまりインフラ面の負担を抑えながらも、将来的な拡張性や柔軟な運用に対応できることを踏まえると、HubSpotが最も理にかなっているという判断に至りました。

営業、マーケティング、CMSなどの機能が統合されているのがHubSpotの特徴

(営業、マーケティング、CMSなどの機能が統合されているのがHubSpotの特徴)

HubSpotの魅力は、単なるCMSにとどまらず、CRMやマーケティングオートメーション、SEO機能との親和性が高く、統合的なマーケティング基盤を構築できる点にあります。今回のサイト公開段階ではその拡張性も考慮に入れました。スモールスタートが可能でありながらスケーラブルな運用へと発展させられる点は大きな決め手でした。

また、MSOLグループ内での既存の信頼関係も後押しとなりました。HubSpotの優位性については以前から把握していましたし、パートナーである100社ともすでに他プロジェクトでの協業実績がありました。そのため、連携面でもスムーズに進められる確信が持てたことも大きかったですね。

遠藤:実際にご相談をいただいた際には、すでに複数のCMSをご検討中でした。その中でHubSpotを選ばれた理由として、単なる機能面の比較にとどまらず、どう運用し、成果につなげていくかという視点まで含めて評価されていた点が印象的でした。

特に印象的だったのは、目黒さんの提案に対して社内で異論がほとんど出なかったことです。これは、普段から社内システムの選定や導入を一手に担ってこられた目黒さんへの信頼の厚さがあってこそだと感じています。ご本人は謙遜されていましたが、失敗すら前向きに捉えて次へつなげる姿勢があるからこそ、周囲の納得感と支持が得られているのだと思います。

山田氏:代表の阪本が常々コーポレートサイトのメディア化を掲げていたこともあり、コーポレートサイトは単なる名刺代わりではなく、継続的な情報発信の基盤であるべきという方針が明確でした。その考えは設計の初期段階から意識していました。その意味でも、HubSpotは非常に相性が良いと考えます。操作に専門知識が不要で、テンプレートや運用ルールを整備すれば、兼任の担当者でも更新がスムーズに行えるのは大きなメリットです。

山田 智久氏 株式会社MSOL Digital  Internal to External Dept./ マネージャ

(山田 智久氏 株式会社MSOL Digital  Internal to External Dept./ マネージャ)

遠藤(ハンドレッド):今回の設計では、将来的な運用を見据えて更新しやすさと拡張性を重視しました。公開時点で、事例、実績、セミナー、マガジンなど複数のコンテンツ枠を先に用意しておいたのもその一環です。実績がゼロの状態から中身を増やすのは大変ですが、器だけでも用意しておけば、会社の成長に合わせて自然に内容を拡充していける。そうした設計思想を反映した構成となっています。

山田氏:入社後、初めて管理画面を開いたときに、何をどう運用していけばいいかがすぐに伝わってくる構造に驚きました。特にブログの構造が明快で、メディア運用を前提に設計されたものだと直感的に理解できました。目的が構造に表れているというのは、HubSpotというプラットフォームの持つ強みをしっかり活かした結果だと感じています。

経営陣が毎週参加。経営視座を反映したWebサイト構築

今回のプロジェクトは、どのような内容で進行されたのでしょうか。

目黒氏:本当に時間との勝負でしたね。会社の立ち上げ準備とWebサイトの構築を同時並行で進める必要がありました。

プロジェクトには、代表の阪本と執行役員の大内が毎回定例会に参加しており、私もIT領域の責任者として加わっていました。途中でほかにメンバーとして若手の土屋が加わりました。このように順々に体制を整えて進行していきました。定例会は週1回のペースで開催していましたが、経営陣が毎回出席するというのは、他社ではなかなか見られない体制かもしれません。

それは確かに珍しい体制ですね。経営層が継続的に関わっていた理由とは何だったのでしょうか。

目黒氏:やはり、どのような会社にしていきたいかという想いをWebサイトにしっかりと反映させたいという強い意図があったからです。コーポレートサイトは、単なる情報発信の場ではありません。企業としての思想や文化、価値観を発信するための重要なメディアだと考えています。営業資料を社長自らが作成するのと同じように、サイトのコンテンツにも経営の視座をダイレクトに盛り込む必要がある。そうした考え方が根底にありました。

特に今回は、サービスの見せ方、つまりソリューションをどう言語化するかが大きなテーマでした。100社にもそのプロセスを支援いただき、各サービスごとに時間をとって丁寧にヒアリングを行いました。1サービスあたりおよそ1時間、代表や執行役員も参加し、どのように表現すれば価値が伝わるのかを一緒に検討していきました。

このプロセスを通じて、私たち自身も提供するサービスの価値を改めて見直す機会になりましたし、ユーザー視点での見え方を真剣に考える良いきっかけにもなったと感じています。

ビジネスアジャイルの詳細ページ

ビジネスアジャイルの詳細ページ

 

遠藤(ハンドレッド):今回のプロジェクトでは、単にWebサイトを制作することが目的ではありませんでした。サービスの中身をどう表現するか、それをどのような導線で届けるのか、いわばコンテンツ設計が重要なテーマでした。MSOL Digital様の経営陣がその設計プロセスに深く関与されていたからこそ、最終的に完成度の高いWebサイトが実現したのだと思います。

プロジェクトの中で苦労した点はありますか。

目黒氏:全体を通じて、最も苦労したのはコンテンツ制作です。コーポレートサイトの立ち上げにおいては、サービス紹介や導入事例の整備が欠かせませんが、分社化の準備と並行して進める必要があり、自分たちだけで完結させるのは現実的ではないと感じていました。だからこそ、100社にインタビュー、原稿制作、編集まで伴走していただけたのは心強かったです。

当初から私たちは、この部分はプロの支援が不可欠だと認識していました。その判断を早い段階で共有し、外部の力を借りられたことで、必要なコンテンツをサイト公開時にきちんと揃えられました。それは大きな成果だったと思います。

遠藤(ハンドレッド):私たちも最初の段階から、ソリューション紹介だけでなく、それを裏付ける事例やコンテンツも不可欠になると考えていました。MSOL Digital様は、立ち上げ時点でそうしたコンテンツを妥協せずに整えるという明確な方針を持っており、その姿勢がプロジェクトの成功につながったと感じています。

よくあるケースとして、コンテンツが不足したまま見切り発車で公開してしまい、あとから修正に追われるという流れがありますが、今回は準備段階から伝えるべき中身をしっかり作り込んでいただきました。体制面でもスムーズで、社内で協力体制を整えてくださったおかげで、私たち外部支援側も自分たちの役割に集中できました。

特に印象的だったのは、MSOL Digitalのワーキングメンバーであった若手の土屋さんの存在です。ワーキンググループに深く関与され、今も継続的にプロジェクトを支えてくださっています。土屋さんのような方が中心にいることで、プロジェクト全体の進行が安定したのではないかと思っています。

目黒氏:少し話が広がるかもしれませんが、大規模なプロジェクト、たとえばWebサイト構築やシステム開発において、誰をどうアサインするかは極めて重要なポイントです。まず、事業責任者として、その会社や事業に対する深い理解を持つ人物がプロジェクトの中心に立つべきです。これは営業資料を自ら作る感覚と同じで、コーポレートサイトのような会社の顔を作るには、経営の視座が欠かせません。

その上で、ITの視点からシステム仕様を検討し、ドメイン取得や技術設計を担える実務者。そして、PMOとして全体の進行管理をリードできる人材。今回でいえば、その役割を担ったのが土屋です。この3つの要素が連携し、補完し合える体制が構築できるかどうかが、プロジェクトの成否を分けるカギになると思います。

遠藤(ハンドレッド):まさにその通りで、MSOLグループがPMOのプロフェッショナルということもあり、体制設計や進行が洗練されていました。私たちのような外部支援チームとしても、そうした下地があるプロジェクトは推進力がまったく違います。伴走しながらも、確かな手応えを感じられる取り組みでした。

Webサイトが入社の決め手に!応募者の質と数が向上

成果についてお聞かせください。

山田氏:まず定量的な成果として挙げられるのが、コーポレートサイトを経由した採用活動への貢献です。数値の公表は差し控えますが、昨年10月頃からカジュアル面談の申し込みや直接応募が徐々に増え始め、現在では一定の応募数が継続的に得られるようになっています。率直に言って、これは私たちの想定を超える反響でした。

特に印象的だったのは、HubSpotのCMSを活用することで、採用ページへのバナー追加などの施策を社内で簡単かつ迅速に実行できた点です。通常であれば、こうした更新作業には外注や開発リソースが必要になるケースもありますが、今回は自社内で完結できたことで、タイミングを逃さずに実行できました。これは機会損失の防止という意味でも大きな価値があったと思います。

さらに、HubSpotのアクティビティフィードを活用することで、たとえば商談後に企業様がどのページを閲覧しているかを把握できるようになりました。「今、どのような情報に関心を持っているのか」といった状況を営業チームにリアルタイムで共有できるようになったのは、実用的で、営業活動の質を高める上でも有効です。

本プロジェクトで作成したMSOL Digitalのコーポレートサイト

(本プロジェクトで作成した同社のコーポレートサイト

目黒氏:BtoBの領域では、Webサイトから直接的な売上につながるケースは多くありません。ただ、採用活動においては、コーポレートサイトの役割は極めて重要だと感じています。実際にキャリア採用の応募者から「最終的にはホームページを見て入社を決めた」という声をいただくことが増えてきました。何をしている会社なのか、どのような価値観を持っているのかが明確に伝わるページ設計が、候補者の意思決定に寄与しているのだと思います。

今後は、マーケティングオートメーション領域への活用やスコアリングの高度化も見据えており、HubSpotを中核とした一貫したプラットフォーム活用の可能性は大きいと感じています。

遠藤(ハンドレッド):今回のプロジェクトで大切だったのは、Webサイトを作って終わりではなかったという点です。Web上でのユーザーの行動を把握し、それをマーケティングや営業にまでつなげる仕組みが整っていることで、情報の取りこぼしが格段に少なくなります。

仮に複数のツールを連携させていたら、UIの違いや情報の引き継ぎの難しさなど、運用面での負荷が大きくなっていたはずです。その点、HubSpotであればCMSからマーケティング、セールス領域まで一元的に管理できるため、導入価値は高いと改めて感じています。

これからもMSOL Digital様とさまざまな取り組みをご一緒できれば嬉しく思いますし、今後も引き続き伴走していけたらと考えています。遠藤 祐太朗 株式会社100 取締役 プロジェクト責任者

(遠藤 祐太朗 株式会社100 取締役 プロジェクト責任者)

多様な視点と専門性を武器に、現場に根ざしたDX支援をさらに強化へ

今後の展望についてお聞かせください。

目黒氏:会社全体として私たちが大切にしているのは、異なる専門性を持つメンバーが同じ空間に集まり、それぞれの視点で自由に議論しながら協働できる環境を整えている点です。コンサルタント、テクニカルPMO、エンジニアなど、職域を超えた連携が日常的に行われる体制は、私たちの強みであり、これからのDX支援を加速する基盤になると考えています。

そうした体制を通じて、多様な視点からクライアントの課題を捉え、実務に即したDX支援をさらに推進していきたいと思っています。特に情シスコンサルという分野では、ITベンダーでもSIerでもない立場から、事業部門やコーポレート部門の業務経験を持つ人材が関与することで、現場に根ざした提案と実行が可能になります。

さらに私たちは、汎用的な知見に基づく上流コンサルティングと、特定ソリューションに対する深い専門性を両立させることを目指しています。前者では企業規模や業種を問わず活用できる戦略立案力、後者ではノーコード/ローコードの開発技術、パッケージ製品の応用、AI領域など、具体的な技術実績が求められます。これらを組み合わせて、クライアントごとに最適なDXパートナーとしての提供価値を、より高めていくことが今後の目標です。

山田氏:ワーキンググループ内では、最近、若手社員を中心にポッドキャストへの関心が高まってきています。採用マーケティングにおいては、動画や音声といったマルチモーダルなコンテンツの重要性が増しており、その中でも音声による発信の有効性に注目が集まっています。

特にポッドキャストは、海外では企業の情報発信手段として広く活用されていますが、日本ではまだ普及が限定的です。ただ、若い世代の間では、ラジオのような親密さのある音声コンテンツが「なんとなく心地よい」と受け入れられており、実際に聴取習慣がある層も増えてきています。そうした流れを踏まえ、私たちのチームでも採用志望度を高める手段として、音声発信を取り入れようという動きが出ており、今後、積極的に取り組んでいく予定です。

具体的には、AIによるナレーション生成や、HubSpotのオーディオ配信機能、さらにはコンテンツ・リミックスなどの新しいツールの活用も視野に入れています。日本語の音声生成については、まだ若干のぎこちなさもありますが、技術の進化に期待しつつ、段階的にチャレンジしていきたいと考えています。

Content Hubの新機能AIポッドキャストツール

Content Hubの新機能AIポッドキャストツール

目黒氏:加えて、HubSpotの機能についても、まだ活用しきれていない部分が多くあります。今後はCMSに加えて、Marketing HubやSales Hub、Operations Hubといった他のモジュールも含め、より高度な活用を目指していきます。そのためには、データの蓄積と可視化、それをどう社内で共有・活用するかといった設計も重要になってくるでしょう。

私たちの部署はMSOLのコーポレートIT部門と連携しつつ、マーケティング部門とも関わりがあります。そこで得られた知見を新会社でも活かし、HubSpotを中心としたデジタル基盤を強化しながら、ポッドキャストのような新しいコンテンツ手法にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。そうすることで、より多様で立体的な情報発信が可能になると期待しています。

最後に、今後HubSpotの導入やWebサイトのリニューアルを検討している企業の方々に向けて、何かアドバイスをいただけますか。

目黒氏:まずお伝えしたいのは、HubSpotはCMSとしての完成度が非常に高く、ITの専門知識がなくても十分に運用できる点が魅力だということです。その上で、将来的にMarketing HubやSales Hub、Operations Hubといった機能群と連携することで、企業の成長フェーズに応じた拡張が可能になります。プロジェクトマネジメントの視点から見ても、この拡張性は頼もしく、継続的な事業発展を見据えた投資として、合理的な選択肢だと感じています。

単体のツールとしての扱いやすさはもちろん重要ですが、それ以上に企業の変化や成長に柔軟に対応できる設計かどうかという観点が、導入判断において重要です。その点で、HubSpotは将来性のあるプラットフォームだと実感しています。image8

山田氏:私自身、これまでさまざまなCMSに触れてきましたが、HubSpotのナレッジの豊富さとサポート体制には助けられました。ドキュメントが充実しており、困ったときにはすぐに検索で解決策を見つけられますし、チャットでのサポートも迅速かつ丁寧。

ナレッジやサポート体制が充実しているかどうかは、導入後の運用継続に大きく関わってきます。過去に、ドキュメントやサポートが整っていないツールを使った経験もありますが、そうした場合、社内での浸透が進まず、結果的に運用が停滞してしまうこともありました。

その点、HubSpotはユーザーが迷わずに操作を進められる環境が整っており、サポートも進化を続けています。これから導入を検討される企業の方には、こうした運用面での安心感や継続しやすさも含めて、ぜひ評価していただければと思います。導入そのものだけでなく、導入後の定着・活用まで見据えた判断が、より良い成果につながるのではないでしょうか。

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