先日、リリースをさせていただいた通り、弊社のビジョンを見直しました。ミッションである「半歩先をてらす。」という原点に立ち返り、「HubSpot*AI*Dataのことなら100へ」という新たなビジョンのもと、全ての意思決定を行っていきたいと思います。
このような決断に至った理由を、これまでの当社の振り返りと、私たちが共に描く未来とともに、綴りたいと思います。
急成長の誘惑と、その代償
2022年末から2023年上期にかけて、私たちは大きな賭けに出ました。DX支援市場の熱気に後押しされ、2001年頃からHubSpot需要の急な増加を経験しました。そこで大胆な採用強化を行い、20名から50名体制まで一気に拡大したのです。その決断の背景には、「より多くのお客様に、HubSpotを使って事業成長をしてほしい。そしてそれを支えたい」という熱い思いがありました。
しかし、急成長には影がつきものです。教育体制が追いつかず、新しいメンバーたちの持つ可能性を十分に引き出せませんでした。チーム間のコミュニケーションにも綻びが生じ、それまで大事に育ててきたカルチャーが適切に浸透されず不協和音を生む結果となりました。
結果として、案件のトラブルの増加やそれまで急成長してきた事業の停滞など、痛みを伴う経験もしました。お客様にご迷惑をおかけしたこともありました。これらの問題に直面し、前向きな活動ではなく、後ろ向きな活動も多く発生しました。
まだまだ、課題は多く残されていますが、多くの協力してくれる方々に支えられ、一つずつの問題を真摯に捉え、お客様に価値提供をおこない、安心して選んでいただく仕組みづくりを進めております。
苦難を越えて見出した光
また、そのような私たちに希望をもたらす朗報があります。先日、発表させていただいた株式会社WACULとの資本業務提携についてです。
この取り組みは、単なる数字以上の意味を持ちます。それは、私たちの可能性を信じ、応援してくれる方々がいるという証。そして何より、私たち自身がまだまだ成長できる、という強い確信なのです。WACUL社のノウハウと、100社のノウハウを掛け合わせることで、お客様にとって価値のあるサービスを提供できると確信しています。
この提携は、私たちの夢を実現するための礎となるでしょう。しかし同時に、大きな責任も伴います。この信頼に応えるべく、私たちは新たな挑戦に向けて歩み出す必要があります。
また、昨年末には、株式会社Relic、株式会社ScaleHackとの資本業務提携をおこないました、両社との提携後の事業への取り組みは着実に前に進んでおり、お客様へのサービス品質の向上の一助となっております。
各社とのパートナーシップを推進することにより、より強固なビジネス基盤構築をおこなっていきます。
過去の反省から生まれる新たな決意
これまで私たちは「顧客のために」と言いながらも、振り返ると、実際はより多くのHubSpotを販売することを最優先としていました。これは、HubSpotのパートナー制度がかつては、新規販売と顧客の継続支援の評価が5:5であり、販売をするだけではなく、満足度高く利用していただくこと。即ち、1社1社のお客様の成長を支援することが評価される仕組みで、とても納得感のある評価制度でした。
しかし、世界的にパートナーが増え、HubSpot社のパートナー制度の評価が、新規販売に重点が置かれるように変更(5:1)となり、HubSpotパートナー事業にコミットする私たちはこの変更に追従し、本来の目的を見失いELITEという最上位のティアを目指すという「言行不一致」な状態が続いていました。
しかし今、私たちは原点に立ち返ります。最も重要なことは、ミッションに沿った経営計画を進めること。そのミッションとは、「半歩先をてらす。」です。
「顧客の成功のためにHubSpotを利用する。そして顧客にとってかけがえのないパートナーになる。」という目的と手段が入れ替わることがないように、行動していきたいと思います。
※HubSpotは本当によくできたシステム且つ、素晴らしいカルチャーを持った会社なのでこれからもHubSpotをフォローし、HubSpotを中心とした事業を行っていきます。
新たなビジョン:HubSpot×AI×Data 〜 顧客成功の鍵 〜
これから、私たちは新しいビジョンを掲げて進んでいきます。
「HubSpot*AI*Dataのことなら100へ」
このビジョンは、単なるキャッチフレーズではありません。これは、私たちの存在意義そのものであり、顧客の成功のために全力を尽くす私たちの誓いです。
HubSpotを軸としながら、AIとデータの活用に力を入れていくのは、これらの技術が顧客の事業成長に直結すると確信しているからです。しかし、テクノロジーはあくまでも手段であり、目的ではありません。
私たちが目指すのは、テクノロジーを駆使しながらも、その先にある人と人とのつながり、心の通った関係性を築くことです。データとAIを活用し、顧客の課題を深く理解し、的確なソリューションを提供する。そして、それによって生まれた時間と余裕を、より創造的で価値ある対話に充てる。
これこそが、私たちが目指すお客様の半歩先をてらす「かけがえのないパートナー」の姿なのです。
組織文化の革新 〜 顧客中心主義の体現 〜
このビジョンを実現するために、私たち自身も大きく変わる必要があります。
まず、サービス品質の向上に全力で取り組みます。その一環として、国際的な品質マネジメント規格であるISO9001の取得を目指します。ただし、ISO9001取得自体が目的ではありません。この取り組みを通じて、顧客満足度を常に向上させるための仕組みを構築し、全てのプロセスを「顧客にとっての価値」という視点で見直し、改善し続けることが真の目的です。
また、生成AIの活用も積極的に進めます。AIを恐れるのではなく、むしろ私たちの力を増幅させるツールとして活用していきます。単純作業から解放されることで、より創造的な仕事に集中できるはずです。
そして何より大切なのは、人材育成です。HubSpot、プロジェクトマネジメント、コミュニケーション、そしてAIとデータの知識。これらのスキルを体系的に教育し、評価する仕組みを作っていきます。
しかし、スキルだけでは不十分です。私たちが目指すのは、技術と人間性のバランスが取れたプロフェッショナルです。お客様の痛みに共感し、真摯に向き合える人間性。そして、常に学び続ける姿勢。これらを大切にしながら、共に成長していきます。
最後に、私たちは経営方針として、次に挙げるこの2つの特徴を作り上げることにコミットします。
- お客様に成果を提供する有益なサービス
- 唯一無二のユニークなカルチャー
これは、根本からOSを入れ替えるくらいの大きな覚悟を持って取り組む決意です。
未来への道筋 〜 共に進む私たちの挑戦 〜
このビジョンの実現には、社員の一人一人を始めとする、すべてのステークホルダーの協力が必要です。私たちが目指すのは、「顧客の成功」を通じて、共に成長していく関係性です。それぞれの立場や役割は異なりますが、同じ目標に向かって進む仲間です。この挑戦において、一人一人が重要な役割を担っています。
また、私自身当然ながら、完璧な人間ではありません。日々学び、成長し続けることが必要だと認識しています。時には判断を誤ることもあるでしょう。そんな時こそ、率直な意見交換ができる組織であり続けたいと思います。オープンなコミュニケーションが、私たちを正しい方向へ導いてくれると信じています。
これから、「顧客の成功が私たちの成功につながる」という信念のもと、新たな価値創造に取り組んでいきます。この取り組みが、将来振り返った時に誇れるものとなるよう、全力を尽くします。変化の激しい時代にあっても、着実に前進し、新たな可能性を切り開いていきます。
この挑戦に、期待と決意を胸に臨みたいと思います。皆様と共に、より良い未来を築いていけることを楽しみにしています。
2024年7月11日
株式会社100 代表取締役 田村 慶