HubSpot導入事例

3社のCMSをHubSpotで一本化。1名体制で年間5〜10%のアクセス成長を続けるヤマハロボティクスのウェブ運用

作成者: 渋谷 真生子|Jul 21, 2026 9:00:11 AM

半導体は、AIやデータセンター、5Gスマートフォン、自動運転車まで、現代社会の基盤を形づくる部品として欠かせない存在になっています。その半導体の製造工程のうち、組み立てや検査を担う後工程に特化した装置を世界へ供給しているのが、ヤマハロボティクス株式会社です。ボンディングからモールド成形、組み立て、検査までの一貫ラインをワンストップで提供できる、世界でも数少ない総合メーカーです。

2025年7月、新川・アピックヤマダ・PFAの3社を中核とするグループが統合し、従業員約900名の新体制へと移行しました。それに先立つ2021年、各社がばらばらに運用していたウェブ環境を一本化するため、HubSpotを基盤とするコーポレートサイトをゼロから構築。その後は前任者の退職による運用の停滞を乗り越え、トピックスページの新設や月次の運用支援へと取り組みを広げてきました。

本記事では、グループ統合期のウェブ基盤づくりから、引き継ぎ課題の克服、情報発信の再構築に至る約5年の歩みについて、ウェブ全般を担当する坂田様と、プロモーションを統括する日髙様に詳しく伺いました。

半導体後工程装置の総合メーカーとしての事業概要と組織体制

― まず、事業内容と市場での立ち位置についてお聞かせください。

坂田氏:少し専門的な話になりますが、半導体には前工程と後工程があり、私どもはその後工程を担っています。ワイヤーボンディングやダイボンド、バンプボンドといったボンディング技術、それらをパッケージするモールド成形、さらに組み立て・検査までの装置を、開発から製造、販売まで一貫して手がけている会社です。

こうした後工程の一連のラインをワンストップで提供できるメーカーは、世界でも非常に少ないんです。私どもはその分野で独自のポジションを確立しています。

半導体、電子部品の生産ニーズに応える日本発のトータルソリューションプロバイダー

半導体の市況そのものが、いま急速に変わってきています。スマートフォンは5Gに移り、データセンター向けの大規模メモリも増え、AIを直接搭載したICデバイスも広がってきました。

IOTでも広がりが出ており、例えば家電も、エアコンや冷蔵庫がネットワークにつながって外部から操作できるようになり、新しいICが必要になっています。自動車も自動運転に向けて、新しいセンサーやCPU、MPUが日々生まれています。そのたびに後工程の装置にも、新たな技術要求が発生します。

― お客様はどのような企業が中心ですか。

坂田氏:ほとんどが半導体を製造する大手メーカーさんです。ただ、最先端の技術を扱う関係上、顧客の絶対数はそれほど多くありません。業界を代表する有名な大手に絞られてくるので、母数としては限られた世界です。

― 坂田様、日髙様は、それぞれどのような役割を担っていらっしゃいますか。

坂田氏:私はウェブ全般を担当しています。サイトの構成やデザイン、セキュリティ関係の管理、そして日々の更新業務まで、基本的にほぼ一人で対応しているのが実情です。

日髙氏:プロモーション全体を統括する立場です。マーケティングは同じ部門の別セクションが担当していて、私はウェブを含めた広い意味でのプロモーション活動全体を見ています。

3社分のCMSが分散し、管理できていなかった統合前のウェブ環境

― 2021年のHubSpot導入以前、ウェブ環境はどのような状況でしたか。

坂田氏:ホールディングスになる前は、いまのグループを構成する株式会社新川、アピックヤマダ株式会社、株式会社PFAの3社が、それぞれ独立して事業を営んでいました。もともと資本関係のない会社同士だったので、ウェブサイトも完全にばらばらだったんです。

具体的には、ある会社はCMSを導入して作り、ある会社はコードを直接打ち込んで構築し、別の会社は外部に委託していました。まったく統一されていませんでした。

そこにホールディングスが加わって一緒になったので、グループを代表するサイトを一から作り直す必要が出てきました。これが出発点でした。

( 坂田 義昭氏 ヤマハロボティクス株式会社 営業戦略部 セールスプロモーションチーム)

― 旧来の環境では、運用面でどのような不便がありましたか。

坂田氏:統合前のシステムをいくつか触ってみたのですが、特殊なツールを使っていたサイトもあって苦労しました。大手ではないツールで、保存しても、実際に公開してみないと最終的な見た目が分からない。修正のたびに、ものすごく手間がかかっていました。

コーディングが必要な部分は、専門知識がなければそもそも触れません。こうした管理しにくい状態を一本化することが、最初の課題でした。

羽鳥(ハンドレッド):M&Aやホールディングス化を経た製造業では、事業会社ごとにCMSが異なり、ウェブ環境が分散したまま残るケースが多く見られます。担当者が少人数なことに加え、サイトごとに構造もツールも違うため、まずは管理環境をそろえることが最優先になります。

ヤマハロボティクス様も、旧3社それぞれが別々のウェブ環境を抱えていました。そこで3社分をHubSpot一本にまとめ、更新・デザイン管理・セキュリティ対応を1名体制でも扱える形に一元化する設計をご提案しました。

この統合フェーズでの基盤整備は、後のデータ活用やCRM連携の土台にもなります。早い段階でそろえておくことが、その後の選択肢を広げると考えています。

セキュリティ要件と将来の拡張性を両立させたHubSpotの選定理由

― CMS導入にあたっての要件や制約、そして最終的にHubSpotを選ばれた決め手を教えてください。

日髙氏:前提として、グループ全体のウェブの政策管理規定とセキュリティ基準に準拠していること、外部の認証審査を通過できることが条件でした。社内の承認を得る必要もあり、いくつかの条件をクリアできるツールを探していった結果、最終的に数社が候補に残りました。

そのうえで重視したのが、将来の拡張性です。メール配信やチャットボット、場合によってはECまで、さまざまな機能を一つのプラットフォームで追加していける。その総合力が、HubSpotを選んだ決め手だったと聞いています。

当時プロジェクトを主導していたメンバーが、いまは在籍していません。そのため比較検討の細かい経緯を私自身が把握しきれていない部分はありますが、拡張性と将来性を重視した判断だったようです。

(日髙 徳一 氏 ヤマハロボティクス株式会社 営業戦略部 営業戦略グループ セールスプロモーションチーム チームリーダー )

HubSpotでゼロから構築したヤマハロボティクスのコーポレートサイト

― コーポレートサイトの構築は、いつ頃から進められたのでしょうか。

坂田氏:2021年からスタートする形で動きました。実際に完成したのは2022年だったかもしれません。ヤマハロボティクスホールディングスという社名になったのは2021年1月1日です。

その下に、もともと資本関係のなかった新川・アピックヤマダ・PFAの3社が傘下に入る形になりました。そこにホールディングスを加えた全体を、一つに統合したサイトとして作り直そうということになったんです。

― 坂田様ご自身は、当時のプロジェクトにどのように関わっていらっしゃいましたか。

坂田氏:私も一応メンバーには入っていましたが、メインとして動いていたわけではありません。どちらかというと、それぞれの事業体の代表として出ていたイメージです。私はもともとPFAから、日髙は新川から来ていて、各社の立場で参加していました。

ホールディングスに、その構築を担当していた者がいたのですが、事情があって途中でいなくなってしまいました。そこから先は、私どもが全部引き継いでいる形です。

― 実際に構築されたサイトは、どのような構成になっているのでしょうか。

坂田氏:コーポレート情報や製品紹介、ニュースリリース、そしてトピックスといったページ群で構成されています。ページごとに、このページはこのテンプレートを使ってください、という形で株式会社100さんから提供を受けて、それを使って運用しています。

私どもが日々触るのは、そのテンプレートの中に流し込む文章や画像です。ページの骨組みそのものはテンプレート側で決まっているので、更新する側としては、毎回ゼロからレイアウトを組む必要がありません。

ヤマハロボティクス株式会社 公式Webサイト

― 旧来の環境と比べて、編集のしやすさは変わりましたか。

日髙氏:はっきり変わりました。以前の特殊なツールは、保存しても公開してみないと最終的な見た目が分からなかったんです。いまは下書きの状態で関係者にチェックしてもらえるので、公開前にイメージを固められます。

羽鳥(ハンドレッド):HubSpotのContent Hubは、テーマ・テンプレート・モジュールという3つの層でサイトを構成します。レイアウトの骨組みはテンプレートが、その中に並ぶ部品はモジュールが担い、編集者は決められた枠の中で文章や画像だけを差し替えていく仕組みです。

ヤマハロボティクス様では、旧3社で別々だったサイトを、この共通のテンプレート群へ集約しました。ページごとに使うテンプレートをあらかじめ指定しておくことで、ウェブ担当が坂田様お一人でも、デザインの統一感を保ったまま更新を回せる状態を整えています。HubSpotがホストするサイトはSSLが標準で付き、スマートフォン表示にも自動で対応するため、セキュリティや表示崩れの心配を個別に抱え込まずに済みます。

一方で、テンプレートの骨組みに関わる変更は編集画面からは行えません。この区別が、のちの運用課題にもつながりました。次の章では、その引き継ぎの経緯を伺います。

前任者の退職後、引き継ぎのないまま手探りで続けた運用

― 構築を主導された前任者の退職後、運用面ではどのような課題が生じましたか。

坂田氏:引き継ぎの時間がほとんど取れませんでした。前任者がいなくなってから、私がそこに配属された形なので、もう手当たり次第に触って、なんとか動かし方を覚えるような状況で運営してきた、というのが正直なところです。

その頃の私どもは、HubSpotはウェブの修正に使うものだという認識しか持っていませんでした。HubSpotにCRMのような機能があると知ったのも、つい最近のことです。

― 運用を続けるなかで、具体的に困った場面はありましたか。

坂田氏:勝手に直していいだろうという感覚で修正を続けていたのですが、変えたいのに変わらない箇所が何カ所も出てきました。あとから分かったのですが、それらは株式会社100さんに作っていただいたテンプレートに関わる部分で、CMSの編集画面からは直接変えられないものだったんです。

変えているつもりでも反映されない。HubSpotのどこまでが自分で触れて、どこからがテンプレート側なのか、その境目を正確に理解できていなかったことが原因でした。

日髙氏:HubSpotの機能を十分に理解しないまま、更新作業を続けていた期間があったのは事実です。CMSとしてしか見ていなかったので、CRMや問い合わせ管理、メール配信を使うという発想がそもそもありませんでした。

羽鳥(ハンドレッド):HubSpot導入から数年が経ったあとに引き継ぎを担われた場合、テンプレートの構造や管理画面の設計意図が伝わっておらず、なぜ変わらないのかが分からないまま運用が続くケースは少なくありません。

ヤマハロボティクス様のCMSも、テンプレートのモジュール部分と、ページごとに編集できる部分が分かれています。坂田様が直面した変えても反映されない箇所は、まさにこのモジュール側に該当していました。

そこで月次の運用支援では、まず触れる範囲と依頼が必要な範囲の区別を共有することから始めました。この前提をそろえるだけでも、日々の更新で迷う場面はかなり減らせると考えています。

トピックスページの新設と月次訪問支援が生んだ変化

― 今回、新たにHubSpotを活用してトピックスページを立ち上げられました。まずはどのようなものか教えてください。

坂田氏:自社サイトのなかに、お客様や関係者へ向けて自由に情報を発信できるコーナーを設けたものです。会社としての公式なニュースリリースとは別に、もう少し柔らかい話題を気軽に出せる場として作りました。

会社としてはSNSの発信の必要性を感じていましたが、私どものような業界でどのSNSが向いているのか、国内外のどちらを狙うべきか、なかなか決めかねていたんです。

一方で、発信したい情報は少しずつ出てきていました。そこで、まずはホームページのなかで発信できる機能を作ろうということになり、トピックスページを立ち上げました。

日髙氏:SNSは、続ける体制を整えるのがとにかく大変なんです。更新頻度もそうですし、どういうチーム体制で運営していくか。グループ全体で見ると企業アカウントの開設には社内手続きが複雑で、運用開始の制約も多いんです。

それでも何かを作らないと発信はできません。まずはネタを掲載できる場所を確保しておこう。それが最初の発想でした。自前のホームページであれば、いざとなれば修正や削除もできますし、溜めたコンテンツをいずれSNSに流用することもできます。

HubSpotで新設されたトピックスページ

― トピックスとニュースリリースは、どう使い分けていらっしゃいますか。

坂田氏:ニュースリリースは、会社として外部に出す公式の重要な情報です。社名の変更や新製品の発売、展示会の告知などが該当します。

トピックスは、そこから一歩くだけたコミュニケーション寄りのものです。例えば展示会が終わったあとに、こんな様子でした、ありがとうございましたといった内容を気軽に出す。そういう使い方をしています。

― 今回のトピックスページの立ち上げを振り返って、印象に残っていることはありますか。

坂田氏:逆に、苦労はしなかったですね。株式会社100さんとはもう4〜5年のお付き合いで、私どもの情報をたくさん持ってくださっている。こういうことをしたいと伝えるだけで、こんな感じでできますという提案が返ってくる。一から十まで仕様書を作らなくてもいい関係になっているので、今回はむしろ楽でした。

羽鳥(ハンドレッド):私が初めてご一緒したのが、このトピックスページの新設でした。坂田様からいただいた依頼書がとても分かりやすく、どんなページにしたいかのイメージがすぐに掴めたんです。

要件が明確であるほど、設計の方向性を迷わず決められますし、お互いの確認にかかる手間も減ります。今回はその意味で、非常にスムーズに進められた一件でした。

― 月次の運用支援は、どのような経緯で始まったのでしょうか。

坂田氏:トピックスページ開設に向けて羽鳥さんとやり取りを続けるなかで、こちらはCMSの話をしているつもりなのに、別の機能の話が出てくる。その違和感が積み重なってきました。一度きちんと時間をとってHubSpotの勉強をしたいと考えて、月に一度オフィスに訪問して支援してもらえるようリクエストさせていただきました。

オンラインのやり取りだと、どうしても話す人が限られてしまうんです。対面で全員の顔を見ながら話すと、この人は何か言いたそうだな、ここは伝わっていないな、というのが見えてくるんです。

実際に羽鳥さんにオフィスへ訪問してもらい、HubSpotの新しい機能や運用についての相談に乗っていただきました。毎回支援内容はこちらの意向に沿って柔軟に変えていただき、ある月はトピックスページの更新手順を一緒に確認し、別の月は気になっていた表示の崩れを画面を見ながら解消していく。そのときどきで一番困っていることを持ち込める場になっています。

3年連続で年間5〜10%の成長。CMSを超えた活用の可能性を知る

― HubSpotに切り替えてから、ウェブ運用の作業面ではどのような変化がありましたか。

坂田氏:作業時間でいうと、だいぶ楽になりました。以前のシステムは、保存しても実際に公開してみないと最終的な形が分からないものがあって、修正のたびに確認作業が大変だったんです。

HubSpotに切り替えてからは、下書きの状態で関係者にチェックしてもらえるようになりました。公開前にイメージを共有してフィードバックをもらえるので、使い勝手はだいぶ良いと感じています。

― アクセス数など、数値面での変化があれば教えてください。

坂田氏:私どもはB2Bの専門機器メーカーなので、B2Cと比べれば母数は圧倒的に小さい。それでも見せ方をいろいろ工夫してきた結果、ウェブサイトへの訪問数は、過去3年間で年間5〜10%ずつ伸びています。2倍、3倍になっているわけではありませんが、少しずつ、確実に伸びている実感があります。

― HubSpotがCMS以上のものだと気づいたのは、どのような場面だったのでしょうか。

坂田氏:御社が開催してくださったHubSpotのユーザー勉強会に参加したときです。皆さんがどう使っているかを聞いて、まったく話が合わなかったんです。

参加していたメンバーのほとんどが、HubSpotをCRMのプラットフォームとして使っていて、ウェブは今後考えているという方が多かった。私どもはその逆で、CMSとしてしか使っていなかったので、最初はかみ合わなかった。

ただ、話していくうちに、そこまで展開できるシステムだったのかと気づきました。自分たちの使い方が、ほんの一部に過ぎなかったと実感した瞬間でした。

日髙氏:数字以上に大きかったのは、HubSpotに対する認識が変わったことです。ウェブのCMSだと思っていたものが、実はCRMや問い合わせ管理、メール配信、分析まで備えたプラットフォームだった。ユーザー勉強会と月次の支援が、その転機になりました。

(坂田氏が参加したHubSpotコミュニティー HUG

― お客様ごとに仕様が異なる受注設計型のビジネスで、CRMをどう活かすかについてはいかがですか。

日髙氏:私どもの製品は、お客様ごとにカスタマイズして供給する装置です。お客様がどんな半導体パッケージングを作るかで、細部の仕様が大きく変わってきます。汎用装置を大量に売るビジネスとは違い、定量的な営業管理の型に当てはめようとすると、どうしても限界が出てきます。

以前、別の某CRMツールも試したことがあるのですが、同じところでつまずきました。製造側に情報を渡そうとすればアカウントが必要になり、調達や経理との連携も絡んでくる。どこかで情報が分断されてしまうんです。

ですから、CRMが不要というわけではなく、どう設計すれば私どものビジネスに合うのかを考えていく必要がある。そういう理解です。

坂田氏:いまは旧社ごとにExcelで管理している状態が続いています。ちょうど今日の午前中も、その情報を一本化したいというテーマで会議がありました。せっかく一緒の会社になったのだから一本化したいという思いは強いのですが、システムの統合まではまだ追いついていません。

羽鳥(ハンドレッド):受注設計型の製造業では、標準的な商談管理の型が自社に合わないという声を、CRM導入時によく伺います。仕様の個別対応や製造・調達・経理との連携、長い商談サイクルが、汎用的なパイプライン管理とかみ合わないためです。

ヤマハロボティクス様の場合、すでにHubSpotのCMSを基盤としたウェブ環境が整っています。問い合わせ情報やアクセスデータをCRMと連携させる土台は、もう手元にある状態です。

今後CRM活用を進める際は、まずどの部門がどのデータを必要としているかを整理することをおすすめしています。約900名規模のグループでも、この順序で進めれば設計の議論がぶれにくくなります。

メール配信・AI活用・SNS自動連携。次フェーズに向けた構想

― 今後、HubSpotを使って取り組んでいきたいことを教えてください。

坂田氏:直近はトピックスのコンテンツを充実させることが優先です。並行して考えているのが、メール配信の活用です。記事が増えてきたら、それをニュースレターとしてお客様や関係者に届けられると、接点が広がると思っています。

それから、SNSとの連携です。理想を言えば、トピックスに記事を投稿したら自動でSNSにも配信される。そんな仕組みができると、更新の手間が省けて続けやすくなります。1名体制での運用を考えると、自動化できるところは自動化したい。チャットボットも羽鳥さんから提案をいただいているので、選択肢として検討しています。

― HubSpotのAI機能への関心はいかがでしょうか。

坂田氏:関心はあります。ただ、どこから手をつければいいか、まだイメージがつかめていません。コンテンツ作成の補助に使えるのか、顧客対応に活かせるのか。こういう使い方ができるという情報をいただければ、検討が進むと思っています。

日髙氏:私どもの事業は顧客の数が限られているぶん、一人ひとりのお客様との関係がとても重要です。新規リードの獲得というより、既存のお客様に継続的に情報を届け、関係を深めていくことが当面の目標です。トピックスもメール配信もAIも、その延長線上にある手段だと捉えています。

同じ状況の企業へのメッセージ

― 最後に、同じような状況にある企業へメッセージをいただけますか。

坂田氏:私どもは、導入を主導した担当者が変わり、引き継ぎが不十分なまま運用を続けた時期がありました。ドキュメントがあるだけでは足りず、実際に使っている人から直接教わる機会が必要だと実感しています。担当者が変わっても使い続けられる体制を、早めに整えておくことが大切です。

そして、株式会社100さんのようなパートナーとの関係を深めておくと、いざというときに助かります。4〜5年のお付き合いのなかで私どもをよく理解してくださっているので、ゼロから説明しなくていい。少人数でウェブサイトを担う会社にとっては、特に心強い存在です。

日髙氏:HubSpotはCMSとして使い始めるだけでも十分に価値があります。ただ、本来の力はそれにとどまりません。私どもも最近になって、その広がりを知りました。CMSとして使い始めたら、気づけばCRMの基盤も整っていた。そういう形が理想だと思っています。

いま抱えている課題から逃げずに、一歩ずつ進めていく。そのプロセスを一緒に考えてくれるパートナーを見つけることが、遠回りに見えて、実は一番の近道だと感じています。

※記事中の部署名、役職名等は取材時のものです。