HubSpot導入事例

清水建設のイノベーション拠点「温故創新の森 NOVARE」がHubSpotで実現した顧客の声の可視化と新しい顧客戦略の事例

作成者: 渋谷 真生子|Mar 17, 2026 5:59:02 AM

清水建設株式会社は、創業220年を超える歴史を持つ日本を代表する総合建設業者(ゼネコン)です。超高層ビルや病院、工場、高速道路といった社会インフラの建設を手掛けています。同社が今、従来の建設事業の枠を超え、10年後、50年後の未来を共創するという異色の挑戦に乗り出していることをご存知でしょうか。

その挑戦の舞台が、2023年9月に設立された「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」です。NOVAREは人財育成とイノベーションの拠点として、お客様、スタートアップ、パートナーと未来を共創します。

NOVAREは設立以来、3万人を超える顧客が来訪しました。しかし、これらのお客様との長期的なイノベーションへの共感をいかに醸成し、関係性を継続させるかが、同社初の本格的なマーケティングにおける最大の課題でした。

本事例では、NOVAREでマーケティング活動を推進している清水建設の及川洋光氏、濱田淳司氏、田森海音氏に、HubSpotのMAツール、Marketing Hubを導入し、大企業特有のセキュリティや組織の壁を乗り越えながら、いかにして未来を創るためのデータを収集し、お客様の生の声を可視化していったのかを詳しく伺いました。

老舗ゼネコンが挑む10年後、50年後の共創

まずは御社の事業内容について、お伺いできればと思います。

及川氏 清水建設は、超高層ビル、病院、工場、スタジアムなどの多岐にわたる建築事業と、トンネル、ダム、高速道路といった土木構造物を手掛ける土木事業を展開する総合建設業者(ゼネコン)です。

また、従来の建設事業の枠を超え、新たな領域にも積極的に挑戦しています。エンジニアリング事業や研究開発に加え、宇宙輸送や月面開発といった宇宙事業、海中に都市を構築する海洋ビジネスなど、10年後、50年後の未来を拓くフロンティア事業にも注力しています。

こうした動きの中で、2023年9月、人財育成とイノベーションを推進する拠点「温故創新の森 NOVARE」を開設しました。NOVAREはラテン語で「創作する、新しくする」を意味し、イノベーションの語源も同じラテン語に由来しています。

NOVAREの公式サイト

このイノベーション拠点の設立は、建設事業の枠を超えていくという強い意思を掲げた、弊社の長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」の実現に向けたものです。

従来の建設業は、建物の設計、施工、引き渡しで役割を終えることが一般的でした。しかし、これからの時代、それでは不十分であると考えています。今後は、社会やお客様が真に求める本質的なニーズを深く掘り下げ、建設の枠にとどまらない多様な手段で応えていくことが不可欠です。

例えば、建物引き渡し後も、お客様の生活スタイルや社会の変化に合わせ、ITを活用したスマートな機能の提供や、新しいサービスの立ち上げといった取り組みが求められるでしょう。

清水ビジョン2030

イノベーションには二つの方向性があります。一つは、当社のコアコンピタンスである「建設」に関するイノベーション。もう一つは、建設事業を基盤とした新たな事業創出のイノベーションです。この二つのイノベーションを実現するため、NOVAREはオープンイノベーションの場として、お客様、スタートアップ、パートナーとの共創を推進しています。

(清水建設株式会社 NOVARE 及川 洋光氏)

田森氏NOVAREのコンセプトである「温故創新の森」という言葉は、この施設の思想を最もよく表しています。「温故知新」(古きを訪ね、新しきを知る)という言葉は広く知られていますが、私たちはあえてそれを「温故創新」としました。

「温故創新」には二つの意味があります。一つは、清水建設の220年を超える歴史から学び、イノベーションを推進することです。企業が今もなお存続しているのは、先人たちの匠の技や叡智が受け継がれてきたからに他なりません。今後200年先も企業として継続していくために、この「温故創新」の精神を受け継いでいきたいと考えています。もう一つは、物事の原理原則を深く理解し、その原点に立ち返る(原点回帰)ことで、これまでのやり方にとらわれず、新しいものが自然に生まれるという考え方です。

「森」という言葉は生態系を表しています。動植物や土壌、水、大気が循環する生態系のように、NOVAREを構成する5つの施設がそれぞれ自立し、連携し合うという意味が込められています。また、清水建設のみならず、異なる業種や多様な人々が集うことでイノベーションが促進されるという思想にも基づいています。

NOVAREが目指す温故創新の森

NOVAREは、10年後、30年後、50年後といった長期的な未来を見据え、お客様、スタートアップ、パートナーと新たな未来を共創していくための場です。

(清水建設株式会社 NOVARE  田森 海音氏)

濱田氏NOVAREでは、さまざまなイノベーションを推進しています。建設現場の課題解決に向けては、自社での取り組みに加え、スタートアップや大学・研究機関の技術と組み合わせることで、施工方法の効率化、生産性や安全性の向上につながるイノベーションを創出しています。例えば、建設重機用の車両搭載型安全監視カメラシステム「カワセミ」はその一例です。これは、画像解析AIを活用し、建設重機オペレーターの死角となる後方危険区域内の人や車両を瞬時に検知。警告音、ライト点灯、モニター表示などでアラートを発報するシステムとして、共同開発されました。

また、NOVAREの施設自体でも新たなイノベーションに挑戦しています。例えば、超個別空調システムはその一つです。これは、床に設けられた多数の吹き出し口から、一人ひとりに最適な風量の空調を供給するシステムで、まさに「空調のパーソナライズ化」と言えます。

NOVAREでは、フリーアドレスをさらに進化させた「ノーアドレス」という働き方にも挑戦しています。「ノーアドレス」では従業員が固定席を持たないため、従来の全館空調やエリア空調では無駄なエネルギー消費が発生します。そこで、私たちはこのパーソナライズされた空調システムというイノベーションを考案し、現在実証実験を進めています。

このように、NOVAREは共に未来を創出できる場です。お客様の施設では挑戦しづらいことも、NOVAREの場でなら実現可能です。お客様の声を丁寧に聞き取り、オープンイノベーションを通じて、より多くの未来を共創していきたいと考えています。

(清水建設株式会社 NOVARE 濱田 淳司氏)

HubSpot導入前に、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?

及川氏NOVAREが取り組むマーケティングは、従来のセールスプロセスとは大きく異なります。一般的なマーケティングの場合、製品を売るためにセミナーやマーケティングメールを通じてリード獲得、ナーチャリング、営業へのリードパスを行います。

対してNOVAREは、リード数や売上をKPIにしていません。私たちが大切にしているのは、NOVAREに来ていただいた方々との継続的な「つながり」です。このつながりを通じて顧客や社会の課題を共有し、外部の専門知識やアイデアを取り入れることで、自社だけでは生み出せない革新的な製品やサービス、ソリューションの共創を目指しています。

そのためには、顧客がどのような課題を持ち、将来どのようなことを考えているのかを深く理解し、共感することが不可欠です。また、スタートアップやパートナーがどのような技術に挑戦しているのかを知り、その想いに共感することも同様に重要です。私たちは、単なる情報伝達に留まらず、対話を通じて互いの想いやビジョンに共感し、それらをつなぎ合わせることを重視しています。NOVAREは、この共感を基盤としたつながりを育む場であり、多くの仲間や関係者の想いを集め、未来へとつなげていくための手段として、適切なツールの活用が不可欠でした。

濱田氏清水建設として初めてのマーケティング活動への挑戦は、多くの苦労を伴いました。

NOVARE開設から2年間で、延べ3万人以上の方々が施設を訪問されています。重要なのは、訪問された方々がすぐにNOVAREでイノベーションを始めるわけではないという点です。お客様それぞれに現在のビジネスがあり、その中でイノベーションをどう進めるかを考えるため、訪問後も継続的な接点を維持し、関係性を深めることが新たな課題となりました。そこで、清水建設として初めてマーケティング活動を行うにあたり、NOVAREの活動に共感してもらうために、美しく、丁寧に、コンパクトに、そして定期的に情報を発信していくことが極めて重要だと考えました。

一度NOVAREに来ていただいて終わりにするのではなく、お客様との中長期的な接点を途切れさせずに持ち続けること。これこそが、新しいマーケティングの最大の目的となったのです。

田森氏この接点強化の活動で重視しているのは、お客様の生の声をデータとして蓄積し、分析し、そして具体的なアクションへつなげることです。NOVAREの見学(共創ツアー)にお越しいただいたお客様には、5年後、10年後に興味のある技術やテーマについて、HubSpotで作成したアンケートフォームにご入力いただくよう徹底しています。お客様の生の声は、私たちにとって大きな財産です。お客様の声を分析することで、お客様が望むことをイノベーション戦略や計画に組み込んだり、NOVAREが掲げる重点テーマとの整合性をデータに基づいて分析したりすることが可能になります。

HubSpot 顧客アンケートツール

この生の声のデータは、NOVAREでイノベーションを推進している担当者へのフィードバックはもちろん、営業部門にもフィードバックすることで、新たな営業アクションにもつながることが期待できます。このように、NOVAREが初めて取り組むマーケティングは、目先の売上や商談化率を追うためではなく、未来を創るためのデータを集め、お客様と想いをつなぎ、共感を広げるための基盤構築だったと言えます。

継続的な進化と特別な要件への対応力が決め手となり、HubSpotを導入

HubSpotを選定した理由についてお聞かせください。

田森氏数あるマーケティングツールの中からHubSpotを選んだ決め手は、大きく分けて二つあります。一つ目は、グローバルでの圧倒的なシェアです。長期的なイノベーションを目指すNOVAREにとって、ツールの寿命が長く、常に最新技術に対応できることは最重要でした。日本発のメーカーと比較しても、HubSpotは世界トップシェアを誇り、多くのユーザーニーズを反映して常に進化しています。特に、生成AIのような新しい技術を積極的に組み込んでいく開発力は大きな魅力でした。常に進化し続けるという安心感が、長期的なプロジェクトであるNOVAREのニーズに合致していました。

二つ目は、私たちの特殊な要件への適合性です。NOVAREの来訪者という限定された層にのみメールマガジン(以下、メルマガ)を送りたいという、特定の要件がありました。当社では名刺管理システムSansanを導入済みでした。NOVAREのマーケティング活動では、Sansanで管理している名刺情報のうち、NOVAREを来訪した特定のフラグが付いた方々だけにターゲットを絞ってメールを送る仕組みを実現したかったため、Sansanとの連携は必須要件でした。HubSpotとそのパートナー様は、このSansan連携の実績とノウハウを有していました。HubSpotは外資系ツールでありながら、日本の大企業特有の要件(Sansan連携やドメイン制約など)にも柔軟に対応できたため、導入に懸念はありませんでした。

また、清水建設にとって初めてのマーケティング活動は、まさにイノベーションへの挑戦でした。机上論での製品選定だけでは判断が難しかったため、「まずは使ってみる」というスモールスタートを重視。大規模で高価なCRM主体のツールではなく、マーケティングに特化した手軽なものを探し、もしうまくいかなければ別のツールに切り替えることも視野に入れていました。こうした私たちの新しいチャレンジに、HubSpotは最も適した選択肢だったと言えます。

実際にHubSpotを導入してみて、いかがでしょうか。

濱田氏HubSpotの導入により、メルマガの配信プロセスが大幅に簡素化され、新たなメルマガ施策を開始しました。現在、弊社ではNOVAREを来訪していただいたお客様を対象に、月1〜2回、「NOVARE LETTER」を配信しています。

このメルマガは、お客様との継続的な接点を確保し、定期的なコミュニケーションを通じて、イノベーション活動(事業構造、技術、人財)や、「温故創新の森」のコンセプトに基づく場(施設)の魅力をお伝えすることを目的としています。

さらに、HubSpot上でメールのパフォーマンスが可視化されるため、視覚的に分かりやすいダッシュボードやレポートを活用し、高い反応を得たトピックを分析しています。ターゲティングメールの効果測定や過去との比較も行い、今後のコンテンツ企画に活用できるようになりました。

(HubSpotを活用して配信をしているメルマガ「NOVARE LETTER」)

HubSpot導入を進めていく中で、特に苦労された点や印象に残っている困難などがあれば教えていただけますか?

山田(ハンドレッド):HubSpot導入時には、大企業特有の社内ルールの壁を乗り越える必要がありました。特に、メール送信に関わるドメイン設定の調整には苦労しました。清水建設様では、社外へのメール送信に関するセキュリティやルールが非常に厳格です。そのため、HubSpotを使って清水建設様のドメインでメールを送信する仕組みを導入する際、DKIM(DomainKeys Identified Mail)やSPF(Sender Policy Framework)といったセキュリティ設定について、社内のセキュリティグループと何度も調整を重ねました。具体的にどこに情報を設定するのか、そもそも設定が許容されるのかといった点で、地道なやり取りを重ねた記憶があります。

濱田氏これらの苦労は当社特有の事情でしたが、結果として、MA環境を構築するプロセスにおいて、パートナーである100さんにはきめ細かく伴走していただきました。Marketing Hubの導入支援だけでなく、セキュリティへの対応や、Sansanからの名刺データをHubSpotへスムーズに取り込む方法など、初期設定や連携の部分を柔軟に支援していただけたことは大変助かりました。

HubSpotとSansan連携

田森氏導入のプランニング初期段階では、私から具体的な要望を出しました。本来であれば、ペルソナ設定などの戦略的な部分から時間をかけて構築すべきですが、それでは時間がかかりすぎると考えたのです。そこで、戦略構築は一旦割愛し、「NOVAREに来訪された方々へ、明確な期限までにメールを配信したい」という目的を優先しました。100さんは、このような「定例会の回数を調整したい」「不要な機能は省きたい」といった私たちの要望、つまり期限が限られた中での臨機応変な対応に対し、決まったテンプレート通りの導入メニューではなく、柔軟にプランを微調整し、カスタマイズしてくれました。現場の切実なニーズを最優先し、スピード感を重視した対応には大変感謝しております。

及川氏私が特に印象に残っているのは、担当の山田様が導入前に「NOVAREがどのような場所なのかを見たい」と、わざわざ施設まで見学に来てくださったことです。私たちNOVAREがどのようなイノベーションを、どのような想いで推進しているのかを、まず理解しようとしてくれました。このことから、単なるベンダーではなく、私たちの課題を共に解決しようとしてくれるビジネスパートナーだと確信できました。

山田(ハンドレッド)担当として導入支援を進めるにあたり、まずNOVAREがどのような理念で運営され、どのような価値を提供しているのか、その本質を自分の目で確かめたいと考えました。

資料だけでは見えてこない現場の雰囲気や、そこで働く方々の想いを理解してこそ、支援の精度が高まると考えているためです。及川様にもお時間をいただき、直接お話を伺う機会をいただきました。現場で感じた空気や表情からは、単なるサービス提供ではなく、利用者の未来にしっかり寄り添いながら事業を育てていく強い熱量がひしひしと伝わってきました。このように事業の背景や目的、現場の課題感まで深く理解できたことで、事業に寄り添った形で支援へとつなげることができたと感じています。

(山田 智彦 株式会社100 HubSpotコンサルタント プロジェクト担当者)

データドリブンへの転換で生まれた成果と新たな課題

成果や社内の変化、得られた効果があればお聞かせください

及川氏最も大きな変化は、データドリブンな戦略を立てる第一歩を踏み出せたことです。

以前は、お客様の興味や関心は感覚でしか把握できませんでしたが、今はHubSpotに蓄積されたアンケートやメールの開封データにより、お客様の生の声がデータとして可視化されるようになりました。

たとえば、お客様にとって5年~10年後に最も期待・注目している分野や技術が「DX」であることも判明しました。お客様の生の声が、感覚ではなくデータとして明確に見えるようになりました。さらに、「DX」の中でもどのようなキーワードに興味があるのかも明らかになってきました。

これがランキング形式で可視化されたことで、私たち自身が進むべきイノベーションの方向性を、データに基づいて判断できるようになったのです。

加えて分析を進めると、業種別、職種別で傾向が異なることも判明しました。この可視化は、今後の営業部門との連携において大きな可能性を秘めています。

濱田氏 HubSpotを導入したことで、NOVAREへ来訪いただいた方々に対し、定期的にメール配信を行えるようになりました。具体的には、テンプレートを活用してメールを作成し、事前設定したシナリオに沿って自動的に情報発信を行うことで、お客様一人ひとりの関心に応じた関係性を途切れさせることなく深められるようになりました。

最後に、HubSpotの運用に関する課題と今後の展望について改めてお聞かせいただけますでしょうか。

田森氏HubSpotに対する今後の要望としては、アンケート分析機能の強化が挙げられます。現状では、毎日夜間バッチでHubSpotから生データを抽出し、Power BIや別のAIツールで分析していますが、このような分析やBI機能がHubSpot上で完結できるようになると幸いです。

また、NOVAREを訪問された方々はアンケートに回答してくださいますが、現在はその内容を目視で確認し、フォローやアクションの必要性を判断しています。この点についても、アンケートの自由記入欄をAIが自動で精査し、「アクションが必要な可能性のあるインサイト」をエージェント型レポートとして提供してくれるようになれば、運用がさらに効率化されると期待しています。

そして、NOVAREにおけるマーケティング活動を通じて、100さんと共に常にチャレンジしていく姿勢を大切にしたいと考えています。目先の成果を求めるだけでなく、私たちの挑戦的なマーケティング活動に深く関与いただき、共にNOVAREらしいマーケティングを創出していくことが、私たちの最大の願いです。

及川氏今後私たちが挑戦したいのは、営業がアプローチできていないお客様への働きかけです。

具体的には、最近接触が途絶えているお客様や、営業の接点がない部門や組織が挙げられます。NOVAREを訪れたお客様に対し、営業が直接アプローチしていなくても、マーケティングチームが定期的にNOVARE LETTERなどを配信することで、ある時「清水建設に相談してみよう」と営業へ連絡が入るかもしれません。営業がカバーしきれない領域をマーケティングチームがリードとして管理し、フォローアップしていくことこそが、MAツールの本質だと考えています。今後はこの実現を目指しており、マーケティングチームと営業部門との連携強化が課題だと認識しています。

山田(ハンドレッド)及川様がおっしゃる通り、MAツールの真価は、すぐに売上にはつながらない層をいかに丁寧に育成していくかにあります。BtoBにおいては、案件化のタイミングが企業ごとに大きく異なるため、営業が直接アプローチできていないお客様を継続的にフォローできる仕組みがあるかどうかが、将来的な成果に大きく影響します。

実際、営業だけでは追いきれない潜在層をマーケティング側が適切に温めておくことで、後から「ちょうど相談したかった」と自然に連絡が戻ってくるケースは少なくありません。NOVAREのように来訪という接点を持てる環境であれば、その効果はなおさら高まるでしょう。

ただ一方で、営業部門との連携強化が課題となるケースが多いのも事実です。営業の皆様がMAツールのために余計な作業が増えたと感じてしまうのは、ごく自然なことです。新しい仕組みが浸透する局面では、どうしても手間が先に目立ってしまうため、ツールを使うことでどのように案件化率が上がるのか、どれだけ営業活動のストレスが軽減されるのかを、具体的な成果やデータと合わせて共有していく必要があります。

私たちとしても、営業現場の負担を極力減らしながら、マーケティング側がしっかりとリードを育成していく体制を一緒に作っていければと考えています。MAツールが管理のための仕組みではなく、営業の皆様の味方になる仕組みとして自然に馴染むよう、引き続き伴走させていただきます。

田森氏私たちは、営業が追えない10年後の種をHubSpotでフォローし続けることで、このデータがあればアプローチできていないお客様から共創案件が生まれたという勝ちパターンを社内で作り、その成功事例を広げていく必要があると考えています。

この営業部門の意識改革は、HubSpotというツールだけでは解決できない、人と組織に関わる、私たちの次なる大きなチャレンジとなります。

※記事中の部署名、役職名等は取材時のものです。