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【100式】HubSpot導入するなら、顧客が嫌がるアプローチを見直そう

hubspot-maHubSpotを始めとしたMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入する企業が増えています。以前は、HubSpotに限らず、MAを導入したもののメール配信ツールとしてしか活用できていないという相談を受けることが多かったのですが、最近はMAを使いこなすにはコンテンツが必要という考えが普及してきて、活用レベルが上がっています。一方で、時代の変化とともにMAのベストプラクティスも変わってきていると感じます。そこで、2022年現在のHubSpot活用にあたっての考え方を紹介します。

MAのやることリストを見直そう

インバウンドマーケティングは端的に言うと、見込み客や顧客が必要な時に、必要な情報を提供できるようにしておくことです。
これを実践するために、MA(マーケティングオートメーション)を活用し次のようなやることリストを見たこともあるでしょう。

  • Eブックでリードを獲得する
  • サイト内で「育てる(リードナーチャリング)」
  • ブログ記事ををたくさん作る
  • リードをスコアリングで管理する
  • ステップメールを配信する
  • リードはMAツールで、顧客はCRMで管理する

もちろん、これらは間違いではありませんし、100でもこのやり方を推奨していたことがあります。しかし、コロナ禍においてリモートワークが増えるなど、環境が大きく変わるなかで、必ずしもこれらが最適な顧客体験につながるとは言えなくなっています。それぞれについて、どういった問題があるのか、どうするべきか、我々の知見を紹介します。

Eブックダウンロードはリード獲得に本当に効果的?

Eブックダウンロードはリード獲得に本当に効果的?Eブックを用意して、見込み客がダウンロードするときに、会社名、氏名、部署、その他情報を入力してもらってリードを獲得する。

このやり方は、リード獲得という点では有効な施策です。しかし、MAが浸透し「ダウンロードした顧客に対して電話やメールでアプローチする」という手法が定着したことで、ダウンロードする側が躊躇することが増えたため、単純なEブックダウンロードによるリード獲得数が全体的に下がる傾向があります。

皆さん自身も、何かを調べていて資料をダウンロードしたいけれど、後で電話がかかってきて時間をとられたら嫌だなと思うことはありませんか。特に、リモートワークになって、電話のコミュニケーションのストレスがより高まっているように感じます。

つまり、Eブック自体が問題なのではなく、Eブックをダウンロードした後のコミュニケーションが問題なのです。
今の時代であれば、Eブックよりもウェビナーへの申し込みのほうがストレスが少ない傾向があります。これは、ウェビナー申し込み時に、フォームから個人情報を入力することは、期待と結果にずれが生じず、違和感を感じないためです。

さらに、ウェビナーの参考資料として、参加者全員に資料をダウンロードできるようにしたほうが満足度も高まります。
コミュニケーションの方法を見直すタイミングにきているのです。
Eブックをリード獲得のためのコンテンツとして提供する際は、業界の調査レポートなど、情報に価値があるものではないと、満足をしてもらえない時代となりました。

リードは育たない?(ナーチャリング)

ナーチャリングでリードは育つか?

インバウンドマーケティングには、サイトのコンテンツを通してリードを育てていく(ナーチャリング)という考え方が定着しています。潜在顧客から、リード、MQL(Marketing Qualified Lead)、SQL(Sales Qualified Lead)、商談、顧客というようなファネルの流れで、リードを育てていきます。

しかし、これは理想であって、実際自社のサイト内でこのステップを経て商談や契約に至るのは、数パーセント程度ではないでしょうか。皆さん自身も、他社のサイトで「ナーチャリングしてもらったな」、と感じることはないのではないでしょうか。ナーチャリングの考えに縛られてしまうと、リードがMQLにならない、SQLの品質が低いといった課題にぶつかることがあります。

今一度、バイヤージャーニーをより広い視点で見直してみる必要があります。認知したきっかけは、他のメディアに掲載された他社の記事をとおしてかもしれません。リード獲得は、他社が主催するオンラインイベントのゲストスピーカーとしての社員の登壇がきっかけかもしれません。

自社でトラッキングできるのは、バイヤージャーニーのうち自社サイトでアクションしてもらったものだけになります。他の場所でいろいろなステップを経て、「問い合わせ」があることもあります。それを踏まえて、自社にどんな情報が必要かを見直してみてください。

調査目的で来訪した人には調査資料を、比較目的の人には比較資料を、導入検討の人には価格表を、とタイミングにあわせてポイントを抑えて情報を提供していきます。

自社サイトに囲い込んで育てる、ナーチャリングするという考えを捨てて、必要な時に必要な情報を提供できるように備えておく、その段階でのリードのライフサイクルステージを決めるという考えのほうが自然なのです。

ブログ記事をたくさん作る必要がある?

インバウンドマーケティングを実践するには、コンテンツをたくさん作らないといけない、それが大変でコストがかかるというお悩みをいただくことがあります。

インバウンドマーケティングでは、確かにコンテンツは必要ですが、闇雲にコンテンツを増やしてアクセスを増やしても、事業貢献にならないことがあります。

ここでも、誰に対してどのフェーズでどういう情報を提供するのか、を整理しておくと必要なコンテンツが見えてきます。ペルソナをもとに、どんなコンテンツが必要か、優先順位をつけて、まずは必要最低限のコンテンツを用意しておくだけでも十分です。

インバウンドマーケティング=ブログサイトを作る、という考えに縛られるのではなく、まずは既存サイト内のコンテンツを見直し、足りない情報を追加するだけでも効果があります。

リードスコアリングは有効?

「リードを育てる」ことにも関連しますが、スコアリングの重み付けも見直したいことの一つです。MAの機能の一つにリードのスコアリングがあります。資料をダウンロードしたら5点、導入事例を閲覧したら2点、メールを開封したら1点など、顧客の行動にスコアを付けて計測し、ポイントが一定ラインに達したら「ホットになった」と判断して、次のフェーズに進むような活用があります。

しかし、このスコアリングの重み付けが本当に正しいのかどうかをきちんと検証できている事例はほとんどありません。仮説としてスコアを割り当てたとしても、計算が複雑になるので、後々そのスコアが正しいのか、検証する難易度が高まるからです。また重み付けも、本来であればその時々で変わるべきですが、最初に設定したままの値を使っている例も少なくありません。

そこでおすすめなのが、行動なら行動の回数だけ点数をつける方法です。Eブックダウンロードも1、セミナー参加も1、メール開封も1といった具合です。スコアリングの評価軸を1つのみにすることで、何についてのスコアなのかを明確にすることが重要です。

スコアリングの軸を別に設けるのであれば、何に関心があるのかを判別する目的で、関心のカテゴリーを分けることです。例えば、SEO関連の資料をダウンロードして、ウェビナーに参加していれば、SEOスコアで2点、ウェブ制作関連の記事を見て、メールを開封していれば、ウェブ制作スコアで2点といった具合です。

点数と顧客のライフサイクルステージをあわせてみて、MQLでアクティブ、SQLでアクティブと見分けをつけられるようになります。スコアリングはとにかくシンプルに設計したほうが、運用がうまくいきます。

ステップメールをあなたは読みますか?

ステップメールをあなたは読みますか?

MAの機能にステップメールがあります。例えば、メルマガ登録をしたら初日にはこのメールを、2日目にはこのメールを、そして3日目にはこのメールをというように、段階的に情報を提供して、関心を高める手法です。しかし、様々な実例を見ていると、2回目以降は回数を追うごとに開封率が下がる傾向にあります。これは、皆さんも自身の体験を振り返ると、何度もメールが配信されると開封しなくなることを実感するのではないでしょうか。メールの開封を何度か続けると、関心が高まって購入するようにはなかなかならないのが現実です。

むしろ、1日目のメールに必要な情報をまとめて送ったほうが親切です。情報が多ければ、ダイジェストにまとめて、詳細はWebサイトのコンテンツにリンクしておけば、後々もそのメールからリンクをたどることもあるでしょう。

むしろ、どの情報を見たかをトラッキングして、シンプルに設計したスコアリングとあわせて、その人に合わせた情報を配信する、購買に近づいていればインサイドセールスで案内をするというような活用が有効です。トラッキングは顧客がどんな情報が必要なのかを知り、最適なタイミングがいつなのかを知り、情報提供に役立てるために活用します。

同じ人なのにデータは2つ? CRM(顧客情報)とMA(見込み客)

CRMとMAを分けて運用していませんか。
同じ人の情報でも、システムが別になると別々の情報になってしまいます。見込み客と顧客を分けたいという気持ちもわかりますが、その人がどういうステータスなのかを一元管理したほうが、スムーズなコミュニケーションができます。

データが繋がっていれば、主担当が変わってもこれまでのコミュニケーションの履歴を踏まえて次の情報提供ができます。
顧客行動にあわせて情報をアップデートしていくには、統一したCRMで情報を蓄積していくことが理想です。

正解は時代によってアップデートしていこう

今回は、MAを導入してインバウンドマーケティングを実践する中で、手法論として取り入れられている施策について、本当に必要かどうかを考えてみました。100では様々な会社の導入や運用を支援する中で、時代によって顧客行動が変わり、最適なコミュニケーションが変わることに気づきました。

手法が先にあり、MAを導入することが目的になりがちです。その手法をなぜやるのか、目的を改めて考えて、顧客が何をのぞんでいるのかを振り返るべき時に来ていると思います。

時代の流れとともに顧客行動が変われば、最適な手法も変わり、今回紹介した内容も古くなります。常に顧客行動に合わせたアップデートが必要です。

100式シリーズ:HubSpotの導入にあたって考えること

【100式】インバウンド手法を支える「フライホイール」を、あらためて考えてみる。

【100式】HubSpot導入するなら、顧客が嫌がるアプローチを見直そう(この記事)

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotダイヤモンドパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本)

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